二泊三日 小窓尾根~剱岳~早月尾根

2018.04.28(土) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 46
休憩時間
34
距離
5.7 km
のぼり / くだり
1180 / 318 m
3
DAY 2
合計時間
12 時間 7
休憩時間
2 時間
距離
3.8 km
のぼり / くだり
1189 / 185 m
DAY 3
合計時間
11 時間 24
休憩時間
2 時間 41
距離
9.4 km
のぼり / くだり
493 / 2352 m
2 47
2 37
3 31
2

活動詳細

すべて見る

「山は深かった。」 4月27日夜行、28日から30日かけて馬場島から入り剱岳を目指して小窓尾根をやってきました。 全日天候良好 気温は高く日中は雪質悪し 視界良好 風は稜線ではややあるも穏やか 4月28日 28日朝8時20分、馬場島をスタート。 取水口から雷岩までの高巻きは藪漕ぎがきつくて時間がかかった上、途中で沢に降りてしまい難航。 再び高巻きを再開してなんとか雷岩手前に出ることに。 雷岩は既に目前でありますが、そこまでのアプローチは白萩川の左岸には雪が着いていますが一部ブリッジがあるため危険と考え、右岸のブッシュの中を巻いて雷岩に出ました。 (あとから他の方のブログでは、左岸のブリッジを渡って・・・と記してあるものが多数ありますが、時期と状況を適切に判断することが必要ですね) この時、時計の針は既に13時を過ぎており、雪が少ない時に入る山の深さを感じさせられました。 ここからは小窓尾根の稜線まで一気に登ります。 約1時間20分ほど格闘して、尾根までたどり着く。 まさに、ひたすら格闘といった1時間強であった。 その後は尾根を進み1614mピークにてテントを設営。当初は2121mピークまで行けるかと計画していましたが、時計の針は既に16時となっていたので断念。 日はまだ高く、三の窓が良く見えます。 左に小窓の王、右にチンネを構え、池ノ谷ガレーがチンネの足元から右上に天に向け伸びています。 明日はもっと間近で見れるであろう三の窓方面の景色を堪能しながらテントの中での宴なりました。 4月29日 2時起き4時スタート。 荷物を可能な限り軽量化したので朝食はパンを温める程度の簡単な食事でした。 予定では初日のキャンプ地となっていた2121ピークを目指し、尾根の急登から始まる2日目となりました。 ダブルアックスを必要とする急な雪癖を超えて行きますが、一か所だけ不安なところがありロープを出しました。 2121ピークには7時5分に到着。 目前にニードルが天を突き、「登ってこいよ!」と言わんばかりの構えです。 ニードル付近への到着は概ね9時ぐらいとなり、ニードルの基部付近を右へ巻いて進んでいきます。 ニードルを超えるとドームとピラミッドピークを越えマッチ箱が見えてくるとのことでしたが、藪漕ぎの多いピークをいくつもクリアしたことは記憶にありますが、「ここがドーム」「ここがピラミッドピーク」という明確な判断ができずに懸命に前進していきました。 藪漕ぎで疲労が溜まり、ルートハンティングで停滞もあり、時間だけがむなしく経過していく状況です。 決め手となるマッチ箱のピークもそのポジションが分からず、状況からしてかなり遅れていると思いました。 今日の目指すキャンプ地として、せめて小窓の頭まで行けるのか?との不安を抱え、山行日程を更に1日伸ばすようになるかと覚悟を決めていた最中、視界が開け遠く前方には小窓ノ王がそびえ三ノ窓がはっきりと見えます。 右からは稜線が伸び、稜線の最低鞍部にはテントが張られています。 この最低鞍部こそ小窓そのものであり、北方稜線上であり、自分達は小窓の頭手前にいることを理解することができました。 時計の針は14時30分。このペースなら小窓ノ王の基部辺りまで行けるかと希望も高まります。 前方には、左に小窓ノ王、右にチンネを擁壁の如く備えた三の窓が、まるで要塞のような存在にも見えます。 小窓ノ王の基部を目前にしたところまで進むと、時計は15時30分を回っています。 気温が高く雪が腐っていることからこの先は明日の朝、アイゼンがきくうちに登った方が良いだろうとのことで小窓ノ王を目前にしたえ場所にキャンプを張ることとしました。 目前には小窓の急な登りとその先には池ノ谷ガリーの急登がよく見えます。 登る距離が長いので、滑り出したら止まることはなく危険を感じ、身震いがするようです。 4月30日 朝2時起床、4時30分出発。 本当は4時に出発したかったのですが疲労が溜まり、やや遅れました。 まず目指すのは小窓ノ王への登り。 ハイマツの樹林帯を伝わり左へトラバースし壁面に沿ってただひたすらまっすぐに天に向けて登ります。 振り返れば谷底までストレートに落ちていくであろう急勾配が気持ちをビビらせます。 雪壁のゲレンデでは、ロープを出すための支点が無く、まさに池の谷の語源が「行けない谷」から来ているだけのことがあります。 キックステップでつま先立ちしている状況が長く続くため、ふくらはぎがパンパンに張りますが、休むテラスもなく登ること以外は許されない状況が続きます。 最後の登り詰めのところは ダブルアックスで登り抜き、這い上がるような場所、危険も感じます。 小窓ノ王は右に回り込み懸垂下降を50mほど必要とします。 後から来た二人組のパーティーと合流したので、互いに持っているをザイルを結束させ50mの懸垂下降に挑むことができました。 ちなみに後からのパーティーがいなかった場合、20mぐらいでピッチを切らなければなりませんが、中間部は、あまり多くのパーティーだと足場がなく難航するだろうと思われる状況です。 三ノ窓まで着くとそこは快適なキャンプ地です。 池ノ谷ガーリーが行く手を阻んでいます。 時計は6時を過ぎた頃ですが、まだ雪はしっかりしておりアイゼンは食い込みます。 ガリーの急登を凌げばその先は北方稜線が剱岳まで導いてくれます。 長次郎のコル付近においてもダブルアックスで登るような雪壁があり、気の抜けない緊張は続きます。 そしていよいよ、剱岳の山頂に立つことに成功!8時15分でした。 自分たちが登ってきた小窓尾根の全貌を確認することができます。 これまでの苦労が報われるた瞬間ですね。だから山はやめられないねぇ。 8時40分、下山開始。 下山は早月尾根から馬場島を目指します。 途中11時50分に早月小屋の前で休憩を取らせてもらいました。 小屋は連休中ということで小屋番の方が入っていましたが営業はしておらず、緊急時のみ対応可能とのことでした。 小屋前でキャンプをする方や必要時には小屋内のお手洗いを貸してくれます。 小屋番さんありがとうございます。 その後15時30分馬場島着。 久しぶりにとても苦しく、そしてとても素晴らしい思い出に残る山行となりました。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。