十方山沢登り(日本百名谷の沢、細見谷)

2018.07.14(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 2
休憩時間
4
距離
8.5 km
のぼり / くだり
788 / 789 m
9 3

活動詳細

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日本百名谷にも選ばれている十方山山麓の細見谷を沢登りしてきました。中国地方で日本百名谷に選ばれているのは伯耆大山の甲川とこの細見谷です。 延々と続くゴルジュ帯はまさに幽谷、秘境といった雰囲気に溢れており、さすがに日本百名谷に選ばれるだけはあるという渓相でした。 細見谷(の下流域)はゴルジュの谷であるため、泳ぎや岩場のへつりが必要となる箇所が多かったです。本日は若干水量が多めだったとは思いますが、3~4回は泳ぐ箇所がありました。熟達者は別ですが、私のような普通の人は泳ぐ際は万が一に備えてロープを出し、またライフジャケットを着用する方が無難だと思いました。 岩場のへつりも、ボルダリングやクライミングに親しんでいる人には楽しめるレベルだと思いますが、岩場慣れしていない人にはちょっと厳しいところもあるかなという印象でした。 水に浸かっている時間が長いので、気温、水温、水量によって遡行の印象がかなり違ってくると思います。今回沢登りをした印象では、快適に遡行できるのは日中の気温が30℃を越えるような真夏で、かつ水量が比較的少ない時ではないかと感じました。 気温の低い時期や増水時は入渓しない方がいいと思います。 この谷を遡行するにあたって最大の難関は筏滝(いかだたき)の通過でした。筏滝は釜付近の左岸側から直登できるようなのですが、滝を見た瞬間、即座に直登は無理だと判断して高巻くことにしました。ですが、この高巻きが本当に怖かった。滝の左岸側の崖を高巻いたのですが、石がぼろぼろと落ちるし土はずるずる滑るしで、懸垂下降の支点へたどり着くまでは恐怖しかありませんでした。もう少し高度を稼いでからトラバースを開始するべきだったのかとも思いましたが、高く登りすぎるとトラバースした後の懸垂下降でロープの長さが足らなくなる恐れもあるようにも感じます。次回この沢を登るときはこの筏滝をどう通過するかが大きな問題です(次回も直登という選択肢はないと思いますけど 笑)。 オオリュウズの滝は、左岸側からも右岸側からも直登できますが、簡単ではなさそう。カム、ナッツ、ハーケン等のプロテクションの用意は必要だと思います。今回はオオリュウズの滝で遡行終了としたのですが、同行者は直登してみたいような雰囲気だったので、次回直登にチャレンジするかどうかは水量次第というところだと思います。 オオリュウズまで来て引き返すルートは、Ⅴ字滝下流まで戻りホトケ谷左岸の尾根へ取り付き、クロダキ谷を渡渉して下山林道へ抜けるルートが一番時間的に速いのですが、踏み跡はほとんどない笹薮なのでルートファインディングはとても重要です。ルートをGPSに落としておく方が無難だと思います。

十方山 吉和から県道296号線で十方山登山口(瀬戸滝登山口)に向かう途中にある立野のキャンプ場。今日はこのキャンプ場がスタート&ゴール地点です。
吉和から県道296号線で十方山登山口(瀬戸滝登山口)に向かう途中にある立野のキャンプ場。今日はこのキャンプ場がスタート&ゴール地点です。
十方山 8時13分。下山林道へ続く橋のたもとから入渓。
8時13分。下山林道へ続く橋のたもとから入渓。
十方山 細見谷沢登りスタート。ずっと行きたかった沢なのでワクワクします。写真は同行のNDさん。
細見谷沢登りスタート。ずっと行きたかった沢なのでワクワクします。写真は同行のNDさん。
十方山 入渓後すぐのところにある堰堤。
入渓後すぐのところにある堰堤。
十方山 堰堤は左岸側(登ってる人からすると右側)から通過。
堰堤は左岸側(登ってる人からすると右側)から通過。
十方山 河原を歩けるようなところはあまりないです。すぐに川の中を歩く感じになります。
河原を歩けるようなところはあまりないです。すぐに川の中を歩く感じになります。
十方山 私も水に入ります。冷たいけど、気持ちいい。
私も水に入ります。冷たいけど、気持ちいい。
十方山 グリーンシャワー。
グリーンシャワー。
十方山 最初の方は比較的穏やかな渓相が続く感じです。
最初の方は比較的穏やかな渓相が続く感じです。
十方山 徐々に水深が深くなってくる。
徐々に水深が深くなってくる。
十方山 泳いで右岸側へ。既にずぶ濡れ。
泳いで右岸側へ。既にずぶ濡れ。
十方山 両岸が切り立ってきて、顕著なゴルジュ地形になりはじめた。
両岸が切り立ってきて、顕著なゴルジュ地形になりはじめた。
十方山 ここは泳いで通過。ここで安全のためロープを出す。NDさんがリードで泳ぐ。
ここは泳いで通過。ここで安全のためロープを出す。NDさんがリードで泳ぐ。
十方山 私はセカンド。セカンドで泳ぐのは実はとても楽ちん。なぜならリードしたNDさんからロープで引っ張ってもらえるから(笑)
私はセカンド。セカンドで泳ぐのは実はとても楽ちん。なぜならリードしたNDさんからロープで引っ張ってもらえるから(笑)
十方山 リードで泳いだNDさん。こうやってセカンドを引っ張ってます。
リードで泳いだNDさん。こうやってセカンドを引っ張ってます。
十方山 ロープを片付ける。今日は合計4回ほどロープを出したのでロープを出したり片付けたりで結構時間を食いました。
ロープを片付ける。今日は合計4回ほどロープを出したのでロープを出したり片付けたりで結構時間を食いました。
十方山 岩をへつる。
岩をへつる。
十方山 泳ぐしかない。
泳ぐしかない。
十方山 ロープ出し、まずはNDさんがリードで泳ぎ切った。
ロープ出し、まずはNDさんがリードで泳ぎ切った。
十方山 「来ていいよ~」と合図。
「来ていいよ~」と合図。
十方山 NDさんが撮った私。セカンドは引っ張ってもらえるので超楽ちん。引っ張ってもらうのは楽である以上に楽しい。危険もないし。
ちなみにセカンドも役立たずではありません(笑)リードにトラブルがあればロープを引っ張ってリードを助けるのがセカンドの役目です。
NDさんが撮った私。セカンドは引っ張ってもらえるので超楽ちん。引っ張ってもらうのは楽である以上に楽しい。危険もないし。 ちなみにセカンドも役立たずではありません(笑)リードにトラブルがあればロープを引っ張ってリードを助けるのがセカンドの役目です。
十方山 見ごたえのあるゴルジュ帯が続く。楽しい!
見ごたえのあるゴルジュ帯が続く。楽しい!
十方山 この場所、写真で見ると突破できそうなんだけど結構流れが速い。毎回毎回突破してロープ出してたらキリがないということで、ここは高巻くことにした。
この場所、写真で見ると突破できそうなんだけど結構流れが速い。毎回毎回突破してロープ出してたらキリがないということで、ここは高巻くことにした。
十方山 右岸側の崖を登って高巻く。
右岸側の崖を登って高巻く。
十方山 崖に上に出た。ここはホールドガバガバなのでロープは出さず。
崖に上に出た。ここはホールドガバガバなのでロープは出さず。
十方山 崖の上からは懸垂下降で下に降りる。ここはクライムダウンでもギリギリ大丈夫そうだったけど、沢では怪我できないのでとにかく安全策を取ります。
崖の上からは懸垂下降で下に降りる。ここはクライムダウンでもギリギリ大丈夫そうだったけど、沢では怪我できないのでとにかく安全策を取ります。
十方山 懸垂下降して降りると、すぐに次の淵。ここも泳げば突破できそうだったが、高巻く。
懸垂下降して降りると、すぐに次の淵。ここも泳げば突破できそうだったが、高巻く。
十方山 左岸側を高巻き。
左岸側を高巻き。
十方山 このくらいまで水に入る場所はかなりたくさんあったと思います。水温の低い時期はきついと思う。
このくらいまで水に入る場所はかなりたくさんあったと思います。水温の低い時期はきついと思う。
十方山 果敢に飛び込む(笑)
果敢に飛び込む(笑)
十方山 「さむっ!」と言いながら上がってきた(笑) 私は飛び込まない(笑)
「さむっ!」と言いながら上がってきた(笑) 私は飛び込まない(笑)
十方山 まさに秘境という雰囲気。
まさに秘境という雰囲気。
十方山 左岸から落ちている滝はテンガタキ谷からの滝。
左岸から落ちている滝はテンガタキ谷からの滝。
十方山 右岸から流れ落ちている大きな滝は二の谷からの滝。この滝は沢登りの対象になってるらしい。めったに登る人いないと思うけど。
右岸から流れ落ちている大きな滝は二の谷からの滝。この滝は沢登りの対象になってるらしい。めったに登る人いないと思うけど。
十方山 またもや泳ぐ淵。流れが緩いからここは楽そう。
またもや泳ぐ淵。流れが緩いからここは楽そう。
十方山 ここはロープを出さず、各自泳いで突破。
ここはロープを出さず、各自泳いで突破。
十方山 深い谷。空が遠く感じる。
深い谷。空が遠く感じる。
十方山 ゴルジュが続く。
ゴルジュが続く。
十方山 私達にびっくりして岩から落ちたカエル君を救助。
私達にびっくりして岩から落ちたカエル君を救助。
十方山 大きな淵に出た。谷がここで大きく右側に曲がっている。
大きな淵に出た。谷がここで大きく右側に曲がっている。
十方山 大きなイワナが居そうな淵。
大きなイワナが居そうな淵。
十方山 ここの渓相は本当に飽きがこないです。
ここの渓相は本当に飽きがこないです。
十方山 そして、この谷のボスキャラ、筏滝(いかだたき)に到着。時刻は11時55分。
そして、この谷のボスキャラ、筏滝(いかだたき)に到着。時刻は11時55分。
十方山 筏滝。釜付近の左岸側を直登できるようなんですが、見た瞬間それは無理だと判断。となると高巻くしかないわけですが・・・・・。両サイドはかなり切り立った崖。どうするか考えた末、結局左岸側の崖から高巻きすることにしました。
筏滝。釜付近の左岸側を直登できるようなんですが、見た瞬間それは無理だと判断。となると高巻くしかないわけですが・・・・・。両サイドはかなり切り立った崖。どうするか考えた末、結局左岸側の崖から高巻きすることにしました。
十方山 筏滝。左岸の崖を高巻き中。写真は崖の上からみた筏滝。ここは本当に怖かった。岩ばボロボロでホールドにならないし、土はずるずる滑るし。
筏滝。左岸の崖を高巻き中。写真は崖の上からみた筏滝。ここは本当に怖かった。岩ばボロボロでホールドにならないし、土はずるずる滑るし。
十方山 草木に隠れて分かりづらいけど、写真真ん中でNDさんがビレイを取っています。支点は木を使えたので割と安心でした。
草木に隠れて分かりづらいけど、写真真ん中でNDさんがビレイを取っています。支点は木を使えたので割と安心でした。
十方山 最後は懸垂下降で筏滝の上部に出る。滝の上に降り立った時は本当にほっとしました。
最後は懸垂下降で筏滝の上部に出る。滝の上に降り立った時は本当にほっとしました。
十方山 筏滝を通過しても楽はさせてもらえない。へつりの連続。
筏滝を通過しても楽はさせてもらえない。へつりの連続。
十方山 ここはボルダリングっぽくて楽しかった。
ここはボルダリングっぽくて楽しかった。
十方山 13時54分。Ⅴ字滝。確かにⅤ字だ。ここは左岸側から簡単に通過できた。
13時54分。Ⅴ字滝。確かにⅤ字だ。ここは左岸側から簡単に通過できた。
十方山 Ⅴ字滝を通過すると間もなく・・・
Ⅴ字滝を通過すると間もなく・・・
十方山 細見谷で一番大きな滝、オオリュウズに出ました。
細見谷で一番大きな滝、オオリュウズに出ました。
十方山 オオリュウズを背景に。時刻は既に14時10分。今からオオリュウズを直登するにせよ高巻くにせよ、これ以上上流に行くと日没までに立野に帰着できなくなる恐れがあると考え、本日はここで遡行終了としました。でも、やはり残念さはあります。十方林道まで抜けたかった。
オオリュウズを背景に。時刻は既に14時10分。今からオオリュウズを直登するにせよ高巻くにせよ、これ以上上流に行くと日没までに立野に帰着できなくなる恐れがあると考え、本日はここで遡行終了としました。でも、やはり残念さはあります。十方林道まで抜けたかった。
十方山 帰路はⅤ字滝下流のホトケ谷出合からホトケ谷左岸の尾根を登り、クロダキ谷を渡渉して下山林道に出るコースをとりました。が、コースと言ってもほとんど踏み跡もないただの藪。
帰路はⅤ字滝下流のホトケ谷出合からホトケ谷左岸の尾根を登り、クロダキ谷を渡渉して下山林道に出るコースをとりました。が、コースと言ってもほとんど踏み跡もないただの藪。
十方山 結構急こう配なのできつい・・・。
結構急こう配なのできつい・・・。
十方山 ホトケ谷左岸の尾根をぐるりと巻くと眼下にクロダキ谷が見えてくる。
ホトケ谷左岸の尾根をぐるりと巻くと眼下にクロダキ谷が見えてくる。
十方山 斜面を滑り落ちるようにしてクロダキ谷へ下りる。
斜面を滑り落ちるようにしてクロダキ谷へ下りる。
十方山 クロダキ谷から下山林道への登り。「西中国山地」に書かれていた大岩。この大岩までくると下山林道は近い。
クロダキ谷から下山林道への登り。「西中国山地」に書かれていた大岩。この大岩までくると下山林道は近い。
十方山 やっとのことで下山林道に出た。下山林道は、写真を見ても分かる通り、林道というよりは「かつて林道だったところ」という感じです。
やっとのことで下山林道に出た。下山林道は、写真を見ても分かる通り、林道というよりは「かつて林道だったところ」という感じです。
十方山 自然に戻りつつある下山林道。ここの歩きは全然楽しくない。
自然に戻りつつある下山林道。ここの歩きは全然楽しくない。
十方山 16時48分。立野キャンプ場に帰着。楽しかったけど、疲れた。
16時48分。立野キャンプ場に帰着。楽しかったけど、疲れた。
十方山 クヴェーレ吉和で入浴後、マニア御用達の書籍『西中国山地』(桑原良敏 1983)の細見谷のページを読みながら反省会。
クヴェーレ吉和で入浴後、マニア御用達の書籍『西中国山地』(桑原良敏 1983)の細見谷のページを読みながら反省会。
十方山 『西中国山地』(桑原良敏 1983)
一部のマニアな方々には登山ガイドブックとしても使われています。西中国山地の登山ガイドとして使える本の中でこれ以上マニアックな本はありません。
また、地誌としても並ぶもののない名著だと思います。絶版ですが所蔵している図書館は多いです。
『西中国山地』(桑原良敏 1983) 一部のマニアな方々には登山ガイドブックとしても使われています。西中国山地の登山ガイドとして使える本の中でこれ以上マニアックな本はありません。 また、地誌としても並ぶもののない名著だと思います。絶版ですが所蔵している図書館は多いです。

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