帝王山(ていおうざん)

前日の関東の日帰りは 体にこたえていた。 朝、起きれなかったのだ。 布団でもぞもぞしていたのは、 体も心も疲れていたし、 窓の外が雨だったからだと思う。 とにかく布団から出て、 山歩き用に着替えて、 車に乗った。 犬鳴山を歩くつもりだった。 理由は我が家から近いから。 ところが、 犬鳴峠をめざしていたはずの車が、 気づいたら八木山峠に 向かっているではないか！ 引きかえそうと思えば 引き返せたのだが、 なにか見えない力が はたらいているような 気がしたので。 そのまま 八木山バイパスに のってしまった。 犬鳴山は近いから いつでも歩けるよ、 というつぶやきが聞こえたような気がした。 八木山バイパスは走り出すと、 飯塚市穂波まではノンストップだ。 行った先で歩く山を決めよう、 筑豊にはまだまだ超低山が いっぱいあったじゃないか！ コンビニに車を止めて 地図を開いた。 帝王山213mが 目に飛び込んできた。 近いし低い！ 一瞬で決まった。 帝王山。 別名摺鉢山(すりばちやま)、 地元では 山田小富士(やまだこふじ) と呼ばれている。 登山口を見つけるのに ちょっと時間がかかった。 歩いてみての感想は、 最高級の超低山だということ。 なにがいいかを具体的に述べる！ 1.急坂がまったくない。 体も心も疲れていても歩ける ゆるやかな山道であること。 2. 山道全部に ロープが張られていて、 杖がなくても歩けて 安全だということ。 3.山頂も広く、 孫や小さな子どもと一緒に 登れる山であること。 疲れていた体と心が ずんずん癒されるのを 実感した。 歩く一歩一歩が もったいないと 感じたのは初体験だった。 地元の人や山愛好家の方々に 大事にされている山だと 感じるものがたくさんあった。 心から感謝します。 また、 この山を本で紹介してくれた 谷正之氏にも感謝します。 素晴らしき超低山帝王山と 出会えたことを 見えない力で導いてくださった方々に感謝します。 84座109山目。