活動データ
タイム
10:09
距離
5.8km
のぼり
632m
くだり
632m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る【9月1日移動日】 今日は移動のみ。 豊浦の道の駅で昼食をとる。ホタテ丼を食べる。 Fさんがヘルメットを忘れたということで八雲のプロノに寄って工事用ヘルメットを調達。 その後セブンイレブンに寄り晩御飯用のビールを買う。 すずき金物に寄り山小屋の鍵を借りる。 14:25 今日の宿オボコ山の家に到着。荷物を運び終え山神社に登山の無事を祈願しに参拝する。 参拝の後、ロープワークの講習をする。 8の字結びやマスト結び、ATCを使った補助ロープ引き上げの練習をする。 講習後、少々早いが晩餐の準備にかかる。 山小屋にはボルタリング用のホールドが設置されており、ちょっとしたクライミングの練習ができる。 食班さん用意の竹の子やワラビの山菜鍋でしばし歓談する。 山小屋の天窓から見える空は満天の天の川。明日は天気が良さそうだ。 早朝出発に備えて9時就寝。 【9月2日山行】 4時起床し各々シェラフなどを仕舞い鍋の余りで朝食用のうどんの仕込みにかかる。 みんなズルズルすすり用意された分余すことなくたいらげる。 各々身支度を整え沢装備になる。 6時入渓。水量やや多く早々に膝あたりまで浸かる。 しばらくゴーロ歩きが続く。 一週間前に引いた風邪からの病み上がりで体は思っていたより動くが気持ちが乗ってこない。 ダラダラ川を遡行する。 景観は徐々に沢の体を成してくる。 入渓して300mあたりで最初の小滝と釜が現れ、へつりでかわす。 間もなく又小滝出現。跨いで越える。 その小滝を過ぎてC310mに10m程のぺろ~んの滝が現れる。 岩盤が脆く登るとボロボロ崩れてくる。 偵察を兼ねてSLのFさんが果敢に攻めるも手がかり足がかりが無く危険ということで途中から左にトラバースし右岸に回避する。 右岸を高巻こうということになるが崖になっており沢に下りるのが困難と判断して滝壺の地点に戻る。 改めて左岸から高巻く。滝は数段に別れて落ちていた。 滝口に着くと行く先は二股に分かれている。 土管から流入している右股を進む。 水は灰色に濁っている。鉛川というくらいなので鉱物を多く含んで濁っているのかと思いきや、なんてことない粘土が解けて濁っていただけだった。 C390mで砂防ダムが現れる。 左側を巻いてかわし、しばらく進む。 C420mでチョイ滑が出迎えてくれて、ここから小滝が連続する。 C440mで三段のゴルジュが現れる。 スパイダーウォークのように足と手を突っ張って登る。 沢登りぽくて楽しくなってくる。 その登攀方法が難しい人の為に補助ロープを下げて引き上げる。 殺風景な沢にダイモンジソウが華を添える。 流木が立て掛かった小滝を攀じ登ると前方が明るくなる。 輝きに誘われるように木漏れ日の中の滑床を進むのは実に気持ちいい。 シャワークライミングに持って来いの場所に出て、カメラを構えたFさんから「センターから上がって来て」と言われリポビタンD並みに水を浴びながら駆け上がる。 そこを過ぎると勾配は緩やかになり、沢のほとりにはシオガマギクが咲いていた。 C450mあたりから勾配が急に成り出し水量も減り源頭に近づいていることを実感する。 急勾配の沢を遡行するのも登り詰めて行ってる感じがして好きだ。 C510mで源頭となり、ここから山頂に向けての薮漕ぎに入る。 尾根らしき急登の薮を進む。 この辺は、それほど薮は濃くないが急なので木の枝や笹を手がかりにゆっくり進む。 自分の前を進んでいたYさんが「やばいやばい」と声を上げている。 見ると漬物石より少し大きめの石を押さえている。 地盤が脆く目の前の石が崩れてきたとのこと。 後ろに声を掛け退避させ「ラクーーーッ!!」と叫んで石を落とす。 石はゴロゴロ迫力ある音を立てて落ちていった。 こんなの食らったら一溜りも無いなと思いながら落ちていく石を見送る。 木々越しに雄鉾岳が見える。 崖を巻くように薮を掻き分けて行くとC700mあたりから広葉樹の小薮は笹薮に変わる。 笹はみんなの身長を越える高さで、この根曲がり太いのなんの。 しばし薮と格闘し11:50山頂到着。 沢からのアクセスしてやっと山頂に立てた。 眺望は何もない薮の中の山頂だが個人的には達成感で感無量である。 各自軽く昼食をとり休憩の後12:10下山を開始する。 下山途中、偶然に三角点を発見しカメラに収めることが出来た。 事前情報として境界票の刈り分け道があるので、それを使って下山の計画だったがそれらしい道は見当たらない。 薮を漕ぎ始めて間もなく先頭を行くCLのKさんが刈り分け道を発見する。 刈り分け道は刈り払われてから3年以上は経っており薮化していた。 猛烈な薮漕ぎをしなくても良いことにみんな「やったー!」と歓喜と安堵の声を上げる。 そう思ったのも束の間、踏み跡は消えまた猛烈な薮漕ぎに突入する。 薮漕ぎ中にSさんがミズナラの木に生えた天然の椎茸を発見する。 さすが山菜名人、みんなで眺めた後採取してザックに詰め込む。 急斜面で沢靴というだけでも滑るが、倒れた笹が油をこぼした床のようによく滑る。 笹を踏んで滑って転ぶ。転んだ後続の人が落石のようにズルズル落ちてくる。 疲れてきたのでみんな尻餅をつきながら下る。 木々の間から雄鉾岳と岩小岳が見える。 岩小岳のすくっと聳える円錐形の山容は神々しく低山ながら登高意欲を掻き立てられた。 笹の倒れた方向に進んで行くうちに方向がちょっとずつズレてしまいC550mのコルに下りたころには、かなり北側にズレてしまい軌道修正で南側にトラバースすることになる。 このトラバースがまた大変で今まで下る一辺倒だったのでえっちらおっちら来たが、親指の太さほどある笹を掻き分けてのトラバースは難儀する。 それでも先頭CLのKさんはさすが沢屋だ。もろともせずグングン道を切り開いてリードする。 お陰で見失った刈り分け道に合流できた。 再び見つけた刈り分け道をこのまま進むか往路で登って来た沢に下るか協議し、とりあえずこのまま刈り分け道を進んで様子を見ることに決定。 道が見つかれば元気も沸いてくるというもんで、みんなの足取りも若干軽いようだ。 道はか細いが、なんとか591mポコまで繋がっている様子。 計画通り刈り分け道を進むことに決定し、今度は上り道になる。 多少何箇所か道が消えることはあったが、ほぼ道がある状態なのでそれほど苦もなく上る。 591mポコへの上りの途中、振り返ると三角山の山頂が良く見渡せた。 14:25 C591mポコ到着、水分補給程度でほぼ休憩を取らずに下山再開。 心に余裕が出てきたのか「早く降りて温泉入りたい」という気持ちで頭の中がいっぱいになる。 薮は薄くなり登山道らしくなってきたが勾配が急な為、ズンズン下れない。 みんな枝や笹を掴みながら慎重に下る。 591mポコから438mポコの間のC440からC410までの下りが細尾根になっており、蟻の門渡りとは言い過ぎだが結構危険な道で踏み外せば30mは確実に滑落する細尾根をみんなベテランの山屋、恐れることなくスタスタやり過ごしていく。 C438mポコに着く頃には川のせせらぎが聞こえてくる。 もう少しだという気持ちが、みんなの足に活力を与え川に向かってズンズン下る。 15:35 鉛川に合流し沢モードに切り替える。 ここからは水を得た魚、山小屋に向かって一同バシャバシャ下る。 当初の計画より3時間遅れて16:00 山小屋に到着し、沢登り約5時間、薮漕ぎ約5時間の過酷な山行に終止符が打たれた。 小屋を片付けて身支度を整えて待望のおぼこ荘の温泉へ向かう。 温泉はスタッフの対応も良く、なんと言っても露天風呂が素晴らしい。 湯船から眺める景観と川のせせらぎが癒される。 昨日の満点の星空をこの露天風呂から眺めたらさぞ素晴らしいだろうと思った。 今年から沢を始めて今回が4度目で、その内丹鳴岳と漁岳の2回が沢から山頂へアクセスする山行計画だったが、いずれも達成できていなくモヤモヤしていた。 しかし今回の三角山登頂でやっとモヤモヤを晴らすことができ、良い沢納めになった。 初めての道南の山が薮に囲まれた無名な三角山というのも、なんとも自分らしくてニヤついてしまう。 今回の山行は、いろんな意味で忘れられない思い出の山行となった。
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