活動データ
タイム
11:14
距離
6.5km
のぼり
995m
くだり
998m
活動詳細
すべて見る下山して増富温泉でさっぱりした後の帰り道。両側には黄金色になった稲穂がさらさらと風に揺れ、青い空にくっきりと白い雲が光っています。振り返ってみればもやもやとしたガスが漂って、山の頂までは見えません。あと1日ずれていればなぁ、と思わなかったといえば嘘になります。同じ山でも同じコンディションの日はもう二度ないのだと思えば、昨日からの一つ一つの出来事がじんわりと染み込んでくるものです。 ◼︎数ヶ月前 今年テントを買ったんだよ。という話から、40年来の友人と山に行く事に。富士見平小屋をベースにテント泊し、瑞牆山と金峰山を二日かけて登る事にしました。日程は9月8日で決定。 ◼︎1日目早朝 大変な被害をもたらした台風が過ぎ去った後も天候は安定しないまま、やきもきしながら当日を迎えました。雨さえ降らなければいいや、ということで予定通り集合して出発です。 車で瑞牆山荘を目指します。途中目立った渋滞もなく三時間足らずで瑞牆山荘先の駐車場に到着。身支度を整えてスタート。まずはテント場のある富士見平小屋を目指します。 街中から比べたらかなり涼しい感じがしていましたが、森の中を歩き始めるとすぐに汗が滲んできます。先日の台風の影響なのか沢山の枝や葉っぱがそこら中に散らばっています。歩き出してしばらくは、登山道がはっきりせず、方向感がわかりにかったです。程なく登山道もわかりやすくなってくると、すいすい気持ちよく歩けます。 だんだん傾斜が出てきていい感じで汗が流れます。 日差しが当たるわけでもなく、温度もそう高くないのに汗はしっかりと出るもんなんですね。 今日も荷物は過去二回のテント泊装備とほぼ同じ。水も入れて14kgくらいでしょうか。これが晴れていたらさぞ暑かったでしょうね。 一歩一歩きながら、無意識のうちに深呼吸してしまぃす。一呼吸する度に身体の中の空気が入れ替わって行くのがわかります。 途中、見晴らしのいい休憩ポイントがありましたが、瑞牆山の上部分はガスの中。この後、晴れてくれるといいなぁといいながら、1時間ほどて富士見平小屋に到着しました。 受付を済ませて、テントを張ります。上の方で葉っぱがぱらぱら音を立てています。やがてテントにもぽつぽつと水しぶきが舞ってきてだんだん本降りになってきました。今日はまだ時間があるし、早朝から移動してきたこともあるので、無理せず雨宿り、昼寝をする事に。テントで横になって、雨の音を聴いているうちにあっという間に眠ってしまいました。 ◼︎1日目午後 ふと目が覚めました。気がつけば雨が止んでいます。時計を見ると午後1時過ぎ。かれこれ二時間はぐっすり寝ていた事になります。これから瑞牆山往復で5時過ぎには戻れる頃合いです。いいタイミングで目が覚めるものですね。 昼寝のおかげですっきり。荷物もサブザックで軽々。いう事ありません。ガスがもくもくと山上に向かって流れて行きます。空は曇り時折晴れ間が見える程度です。夜はまた雨になる予報らしく、降り出す前に行動開始です。 瑞牆山は岩場で有名ですか、水が豊かな山でもあるんですね。青々としたコケあり、清らかな水の流れあり。森の中がしっとりと豊かに潤っていて心地よいです。 しばらく登ったあと、ザァザァと流れのする方に下っていきます。雨のせいか水量が多めの川につきあたります。いくつかの石を伝って渡りますが、どの石も水をかぶっていて、さらに増水したら、渡りにくそうでした。 流れを渡って少し進むと見た事がある光景が。桃太郎岩です。でも思っていたより数倍は大きい、写真で見たスケールとは大違いです。 ここからはクサリ場あり、階段あり、ハシゴあり。時折ガスから顔をのぞかせる大すずり岩を見上げながら、時折、テント場から先行して出発された方々とすれ違いながら、黙々と進みます。「さっきは頂上晴れていました」と声を掛けてくださると方も。一時間ほど登ったでしょうか。唐突に頂上に到着しました。 あたりはガスに包まれていて、岩場端から下を見ても何も見えません。あと15分は様子を見ようという事でガスが晴れないか待ち構えます。 下からもうもうと湧いてくるガス。真っ白一色のようですがさにあらず。よく見ると濃淡があって時折うっすらと大すずり岩の陰が見えますが、すぐにガスが濃くなって真っ白になってしまいます。 今日はだめかなと諦め掛けたその時、さぁーっとガスが流れて視界がぐっと広がりました。数秒の間あたりの景色を見せてくれたと思ったら、あっという間にまた真っ白に。それにしても、思わず叫んでしまうってことがあるんですね。この演出はすごいです。数年前の映画「メッセージ」で白いモヤのなかから宇宙人が現れるシーンの映像を思い出します。いやそれ以上のインパクトです。 一度見えたらまた見たいと思っていると期待に応えて二度ほどガスか飛んであたりを見渡すことができました。 ◼︎1日目夕方 雨が降り始める前にと、自分たちとしてはやや早めのペースで富士見平小屋に戻りました。クサリやハシゴ、段差の大きな岩場は同じ道でも、登りと下りでは全然違う感じがしたのが印象的でした。6月に行った「槍・穂高・劔に安心して登る方法」のセミナー(太田ガイドの分かりやすいお話(ICI登山学校)https://yamap.co.jp/activity/2045648)でトレーニングにはいいという話だったのもご尤もだなぁと思いました。 17時過ぎには予定通り富士見平小屋に帰着。持ち込んだご飯を美味しくいただき、コーヒーを飲んだら後はのんびり。 そうこうするうちに日がとっぷりと暮れるころ、雨が降り出しました。お腹もいっぱい、シュラフにくるまってほっかほか。ひんやりした空気の中でこれ以上の至福の時はありません。雨だれの音って睡眠効果があるのでしょうか。まだ19時過ぎですがあっという間に深い眠りに。 なんどか目が覚めましたが、ずっと雨が降っています。5時希少予定ですが、雨が止んておらず。金峰山はキャンセルして下山して早めに帰ろうと段取りだけ確認したら、また、寝ます(笑 ■2日目そして下山 翌朝5時の時点でも雨はやまず・・・もう一寝入りすることにして気がついたらもう7時前。雨も上がって青空が覗いています。帰りの時間も考えると金峰山はやめて、撤収することに。 それにしても、よく寝ました。昼寝と夜あわせたら、通しで十時間以上寝たことに。びちょ濡れのテントをしまいます。雨の中でのテントの設営や撤収することを考えたら、そうならなくて本当によかったです。 下山を始めると、今日日帰りで登ってくる人たちがちょうど動き出す時間なのか、多くの人たちとすれ違います。みな登り始めたばかりで、なんとも嬉しそうな表情をしていましたね。あと1日ずれていれば、自分たちもあんな表情して登ってきたのかもしれません。 車に戻ってもまだ9時過ぎ。瑞牆山荘のトイレの前で割引券をもらって増冨の湯を目指しました。
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