天国から地獄への木曽駒ヶ岳(吹雪で撤退)

2016.02.12(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
2 時間
休憩時間
23
距離
1.7 km
のぼり / くだり
278 / 280 m

活動詳細

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【アクセス】  松本市から長野道と中央道の高速道路を利用し、駒ヶ根ICで降りて菅の台バスセンターに駐車。料金は600円。ここから駒ヶ根ロープウェイしらび平駅へは路線バスに乗り換えます。自家用車ではしらび平駅には行けません(林道のような曲がりくねった細い道を通ります)。路線バスは8:15から1時間毎に出ています。  バスは片道820円ですが、千畳敷ホテルまでの往復路線バス、往復ロープウェイ、千畳敷ホテルの選べる昼食またはお土産付きの、選べる千畳敷カール日帰りプランを使うと、4100円(現金払いのみ対応)です。使用方法は千畳敷ホテルのホームページから申込用紙をダウンロードし、必要事項を記入しロープウェイの切符窓口で精算します。路線バスの中では申込用紙を見せて代金を払いません。 【お天気】  風雪 【感想/記録】  前日は乗鞍岳へ行きましたが、せっかく乗鞍高原にまで来て明日もお天気も良さそうとの予報だったのでお休みをいただき、松本市に宿泊し初の中央アルプス、木曽駒ヶ岳へ行く事に。  昨日は1日快晴でしたが、予報通り松本市も朝は晴れて、今日の登山に期待が持てます。ホテルは朝食が6:30からなので、7時過ぎにホテルを出発するも、朝の渋滞に巻き込まれ高速道路を利用しても、菅の台バスセンター到着は8:30を過ぎでした。途中の車から見える風景には雲が見え始め、山々の山頂にも雲がかかっていました。さすがにこの時期は2日も快晴と言う訳にはいかず、お天気は下り坂のようです。バスは毎15分ごとに出発なので9:15分のに乗車し、駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅に始発から1時間遅れで到着。1時間も遅れたのはちょっと痛かったですね。  しらび平駅に到着するとなんと粉雪が舞っており、山頂の千畳敷駅の外に出ると既に吹雪でした (´Д` )。もちろんあたりは真っ白で、初めてきたのでどこへ行けばよいのかも分かりません。登山道の標識に従って山頂駅の外に出るとトレースがありますが、ゴーグルを装着するとどこがトレースか分かりづらくなります。トレースを外すと踏み抜いてしまいますが、前日のトレースはまあまあ締まっていたので、早々にアイゼンを装着。が、ワンタッチアイゼンが装着できない。靴底にがっつりと雪団子が付いていたためで、雪を払ってアイゼンを装着しトレースを追って行きます。が、今度はゴーグルに息や汗(水蒸気)が入ったようで、曇って使い物にならず。ゴーグルを外し視界を確保して、なんとか前進しました。  やまない吹雪の中を撤退しようか迷いながら進みましたが、朝のホテルの朝食を食べ過ぎたカロリーを何としてでも消費すべく(汗)、進んで行きました。途中から斜度が急になると、雪が締まってアイゼンで歩きやすくなりました。が、乗越浄土のちょっと手前からは斜度がさらに急になり、少し柔らかい雪ではスリップします。何とかザックからピッケルを出して、雪面に刺したピッケルを手掛かりにしながらようやく乗越浄土に到着しました。  乗越浄土付近では一段と風が強くなり、雪が顔に当たって痛いです。当然あたりは真っ白でホワイトアウト寸前、どこが何やら全く分かりません。有名な宝剣岳や駒ヶ岳はどこなのか、真っ白なので何も分かりません。時折風速20m超の強風が吹いてアイゼンを付けていても、体ごと持って行かれそうになります。残念ですが、これ以上いてもしょうがないので、早々に下山を開始しました。  乗越浄土からはまた急斜面を下山しますので、ロープを出してアンザイレンをしておられるグループの方もいらっしゃいました。多くの方が結構な急斜面に腰がひけ気味で、慎重に時間をかけて下山されてましたが、視界が悪いため時間をかけたくないので、尻セードで一気に滑り降り、先行者をごぼう抜きで、あっという間に下山できました。途中で滑落していると間違われたみたいで、大丈夫ですかと声をかけていただけました(^_^;)。ピッケルでちゃんと制動できましたので大丈夫ですが、下る方向の制御はしづらいので、先行者にぶつからないように慎重に下りました。ある程度下ると雪が柔らかくなってきたので、尻セードができなくなり後半は歩いて下山しました。  尻セードの注意点ですが、必ずピッケルをしっかりと握って制動できるように。持ち方が悪いとピッケルが雪の抵抗で弾き飛ばされ、制動ができなくなり滑落になります。雪面が硬くクラストしていると、尻セードでは無く単なる滑落になる危険性が高いです。アイゼンを付けている場合は、先行者にぶつかって怪我をさせない細心の配慮が必要です。ザックに付けたスノーシューやポールなどが雪の抵抗で外れないように。途中に露出した岩があると悲惨なことになるなるので、岩の有無を良く確認しましょう。以上の点に注意するば、素早く下山できます。登りは1時間15分ほど、降りは25分ほどでした。  前日の乗鞍岳は快晴でしたが、初の中央アルプスの木曽駒ヶ岳は一転して吹雪となり、まさに天国から地獄へと叩き落とされました。快晴と吹雪の雪山の両極端な天候を体験できましたので、冬山で使っているアイテムのチェックもできました。いつも冬山で使っているアウターの上下は強風の中でも寒くなく問題なし(逆に暑くて汗をかくくらい)、街歩きで使っているPHENIXのスマホ対応グローブに、モンベルの防風製のあるグローブを重ねたもので大丈夫でした。マムートのザック、スピンドリフトガイド35 はポケットやザックの中に雪が入り込んでしまいました。防水で無いため付着した雪が溶けた水を吸って少し重くなりました。吹雪の中では防水でシンプルな、マウンテンハードウェアのダイアッティシマ35の方が良かったと思います。  今日のてんきとくらすの登山指数はA、ヤマテンの予報も悪くは無かったのですが、お天気は見事に予報が外れてしまいました。木曽駒ヶ岳の山頂に立てなかったのは残念ですが、また機会があれば木曽駒ヶ岳に来たいと思います。帰りの駒ヶ根市は雲が多いものの日差しもあったのですがねぇ。富山のお天気は良かったようです。そして、たった2時間の登山では摂取したカロリーを消費できそうにもありません(笑)。 【注意点と反省点等】  平日でもそこそこ観光客がおられました。休日なら朝の第一便は満員で乗れない可能性も。  木曽駒ヶ岳も積雪状況によってはラッセルになるようで、スノーシューがあると安心だと思います。ロープウェイの最終便は15:55分、バスは12分毎なので遅れないように。  ザックやアイテムに付いた雪を払うブラシがあると良かったです。  駒ヶ根ICまではとにかく遠く感じましたが、帰りは平日のため渋滞は無く気温が上がったので路面の凍結や雪も無くなったので、ノンストップで走り通して自宅まで3時間ちょっとでした。  今回も撮影したOM-D E-M1は撮影中は雪まみれになり、下山してからはカメラバッグの中に入り込んだ雪で濡れてしまいましたが、問題無く撮影できました。使用したレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROは保護フィルターが使用できないので、前玉に付着した水滴が乾くとシミになってしまいました。 【コース状況】  浄土乗越手前は急斜面なので雪面の状態によっては、滑落の危険性もあります。 【2/13追記】  当日になんとか撮影したムービーを追加しました。画面が揺れているのは強風に煽られ、立っていられなかったからです。

木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 ホテルの朝食バイキング。この他にもフルーツやヨーグルト等を食しました。
ホテルの朝食バイキング。この他にもフルーツやヨーグルト等を食しました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 お世話になった松本ツーリストホテル。
お世話になった松本ツーリストホテル。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 菅の台バスターミナルでしばしバス待ち。この時のお天気はマズマズでした。
菅の台バスターミナルでしばしバス待ち。この時のお天気はマズマズでした。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 ハイパーワープマシン1号(中央アルプス観光の路線バス)。
ハイパーワープマシン1号(中央アルプス観光の路線バス)。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 ハイパーワープマシン2号(駒ヶ根ロープウェイ)。
ハイパーワープマシン2号(駒ヶ根ロープウェイ)。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅から外に出ると吹雪でした。
駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅から外に出ると吹雪でした。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 なんにも見えません (´Д`)。
なんにも見えません (´Д`)。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 どこに行けば良いのやら。
どこに行けば良いのやら。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 登山口から外に出てみます。
登山口から外に出てみます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 ロープに沿って少し下っていきます。
ロープに沿って少し下っていきます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 たぶんこの正面を登ると乗越浄土のはず。
たぶんこの正面を登ると乗越浄土のはず。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 ほとんどホワイトアウト。
ほとんどホワイトアウト。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 わずかなトレースを手がかりに進んで行きます。
わずかなトレースを手がかりに進んで行きます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 よーく見ると前方に先行者が見えます。
よーく見ると前方に先行者が見えます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 下山する登山者発見。
下山する登山者発見。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 前方にグループが見えるところが乗越浄土の手前のようです。
前方にグループが見えるところが乗越浄土の手前のようです。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 なんとか乗越浄土に到着。小屋が見えます。
なんとか乗越浄土に到着。小屋が見えます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 稜線上のためか、ますます吹雪が激しくなってきました。南極のブリザードみたい(体験したこと無いけど)。
稜線上のためか、ますます吹雪が激しくなってきました。南極のブリザードみたい(体験したこと無いけど)。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 宝剣岳方面のはずですが、見えません。
宝剣岳方面のはずですが、見えません。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 乗越浄土に来た証拠です。
乗越浄土に来た証拠です。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 当たりは真っ白です。
当たりは真っ白です。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 スピンドリフトガイド35 の中やポケットには容赦なく雪が入り込んできました。
スピンドリフトガイド35 の中やポケットには容赦なく雪が入り込んできました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 奥にも小屋らしきものが見えますが、強風で危うく体ごと持って行かれそうでした。この場所で撮影したムービーを追加しました。
奥にも小屋らしきものが見えますが、強風で危うく体ごと持って行かれそうでした。この場所で撮影したムービーを追加しました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 撮影しても白い世界しかないので、今日の頂上は乗越浄土として撤退します。
撮影しても白い世界しかないので、今日の頂上は乗越浄土として撤退します。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 急斜面を下山していきます。
急斜面を下山していきます。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 急斜面だけあって滑落しそうでやっぱり恐そう。
急斜面だけあって滑落しそうでやっぱり恐そう。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 セルフハイパーワープを発動(尻セード)。安心してくださいピッケルで制動できました。
セルフハイパーワープを発動(尻セード)。安心してくださいピッケルで制動できました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 あっという間に標高を下げました。
あっという間に標高を下げました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 先行者を目視で確認。
先行者を目視で確認。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 千畳敷駅へ向かって登り返します。
千畳敷駅へ向かって登り返します。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 千畳敷駅に到着。
千畳敷駅に到着。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 振り返ってももちろん真っ白です。
振り返ってももちろん真っ白です。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 選べる千畳敷カール日帰りプランのソースカツ丼定食。美味でした。
選べる千畳敷カール日帰りプランのソースカツ丼定食。美味でした。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 お食事はこのメニューの中から選べるようです。
お食事はこのメニューの中から選べるようです。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 しらび平駅に戻ってきました。
しらび平駅に戻ってきました。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 晴れ間も覗いています。
晴れ間も覗いています。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 菅の台バスターミナルも晴れ間が見えていました。お疲れ様でした。
菅の台バスターミナルも晴れ間が見えていました。お疲れ様でした。
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山 停車時に撮影した松本から上高地方面にも怪しい雲が。
停車時に撮影した松本から上高地方面にも怪しい雲が。

動画

活動の装備

  • オリンパス(OLYMPUS)
    M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
  • その他(Other)
    ポールワーズ POLA EXTREAM DF ジャケット
  • サロモン(SALOMON)
    BRILLIANT PANT UNION BLUE
  • モンベル(mont-bell)
    アルパインクルーザー 3000
  • マムート(MAMMUT)
    Spindrift Guide45
  • モンベル(mont-bell)
    LXF-12アイゼン
  • サーモス(THERMOS)
    山専用ステンレスボトル FFX-500
  • エキスパートオブジャパン(EXPERT OF JAPAN)
    HS スノーシューズ
  • モンベル(mont-bell)
    GORE-TEX アルパインスパッツ

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