活動データ
タイム
04:13
距離
10.2km
のぼり
961m
くだり
967m
活動詳細
すべて見る週末の富山は冬型の気圧配置になり、時雨模様で日曜まで雨が残った。日曜日の朝、実家の町内で側溝の清掃会が在ったが、雲の切れ間から一瞬見えた朝日岳の斜面に雪が僅かに積もっていた。この日は八方尾根ゴンドラの運転最終日で自分はゲレンデスキー以外の本格的な冬山登山はしない予定なので15年ぶりに唐松岳に登った。標高が低く南東から登れる分、立山より雪が少ないと予想したが信濃森上から見る白馬連峰は雲に覆われて雪の様子が分からない。八方ゴンドラの乗り場で標高1700Mの黒菱平で4度の案内を観て山頂は-2度位だと予測する。 リフトを乗り継ぎ八方池山荘に着くが思ったより暖かく、八方池に向かうトレッキング客も多い。八方池まで登るが丸山には雪が見え、岳樺が多い下の樺で雪が見え始める。扇雪渓手前で下山者とすれ違うが、頂上の積雪は数センチで凍結しているが素足でも行けるという。 扇雪渓を登り丸山ケルンが見える場所からはハイマツに霧氷が着き始め、ウラジロナナカマドも凍てつき始める。唐松岳方面は白くガスで見えない。丸山から先は氷点下の世界で霰も時々ぱらつく。稜線は霧も深いが風が弱く雪も少ない。唐松山荘は営業終了しているが登山者が多く安心して山頂に登る事が出来た。富山平野は見えなかったが、凍てつく唐松山荘が一瞬、見えた。6人程度のグループ登山者の一人に山頂で写真を撮って貰ったがドイツ人だった。下山時ソロの登山者が居て何処から来たかと尋ねるとオーストリアだという。 今年の5月に逝去したエルマンノ・オルミ監督の映画「緑はよみがえる」が第一次世界大戦のイタリアとオーストリアの塹壕戦の様子を描いた映画で舞台になった冬のイタリアのアジアーゴ高原は白馬に似たリゾート地で5Mも雪が積もる。月明かりに照らされた雪山と雪に覆われた、もみの木の冷たくて暗い映像に、哀愁帯びたアコーディオンの音が流れ、我々は雪に埋もれている、谷底から響く追撃砲が日に日に激しさを増していると囁くナレーションで映画が始まるが、彼の地では100年前に戦争が在り、黄金色に紅葉した唐松が追撃砲で燃えるシーンがある。白馬の唐松岳で唐松を見かけた記憶はなく白馬岩岳辺りの唐松が由来なのかも知れないが、オーストリアやドイツでは唐松や唐檜が多いそうで唐松という山の名前は神聖な白馬の様に馴染み易いのではないかと思う。 今回、訪れた八方尾根ではYAMAPの新しい山を作ろうというポスターが目を惹いた。中学時代に八方池に集団登山した白馬が、こんなに欧米に人気の山になるとは想像していなかった。最近はトレラン等の新しい山の楽しみ方やYAMAPの様な登山系コミュニティサイトも出来て、確かに自らが新しい山のスタイルを築いて発信する時代になっている。
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