活動データ
タイム
16:16
距離
32.4km
のぼり
3386m
くだり
3372m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る11月3日は文化の日。その由来はともかく、巷ではフェルメールやムンクの絵が見れたりするらしいが、僕は今日もテントを持ってお山へ。先々週赤石岳から見た聖岳にどうしても登りたかった。土曜午前2時起床。行き先は南アルプス南部。マイカーで中央道を飛ばし岡谷ジャンクションから南下、飯田市手前の松川インターで降りた。カーナビに従って行ったら違う山に案内され、シラカバ高原だかシラビソ高原だかへ行ってしまい、慌てて行き先変更。国道152号を南下し途中から東へ進み柴沢ゲートへ。7時ごろ着いた。車が3台。僕の到着直後に地元飯田から来たというご夫婦が到着。ゲートの案内板には歩行者も通行止め、と。でもすでに車3台停まってるし何とかなってるんだろう、ということで決行することに。ご夫婦は日帰りで聖岳のご予定とのことで、一瞬「え?日帰り?」と思ったが、まあ、地元の方なので行けるのだろう。しばらく林道が続く道なので自転車で2人乗りでご出発された。7時半前に出発。 出発して割とすぐに「歩行者通行止め」の意味が分かる。林道が完全に崩落している。これは一連の台風20番台の影響だ。でも先に行った人はどうやって?とあたりを見渡すと、迂回路があることが分かった。これは登山者用というよりも復旧工事用だろう。ここを巻いて少し行くとまた崩落箇所。電信柱ごと崩落している...恐ろしや。また迂回路を巻く。ここから先は紅葉の林道歩き。とにかく美しい。だが今日は曇天。写真を撮るがいまいち思うような色彩で撮れてくれない。 聖光小屋につくと、先ほどのご夫婦にあった。ここまで自転車で来たらしい。ここまでは難所続きでかなりきつかっただろう。休憩中だった。ここで登山届を出して出発。ここからもさらに紅葉の美しい川沿い林道歩きが続き、終点で手動ロープウェイでを使って川を渡る。皆さん、渡渉できるならこれ使わないほうがいいです。ホント体力奪われます。この直後に急登劇場始まります。 そして急登。ここまで8.5kmも川沿いを来たのだ。一気に高度を上げなければならない。キツイ登りだ...。あ、熊糞が。本当にいるんだなここ。南アルプスで初めてみた。熊さん、おじゃましますよ。登りはきつかったが、紅葉の美しさにしばしば足を止める。いいねぇ。晴れてたらもっとよかったんだけど。山のてっぺんを覆う雲を恨めし気に見つめる。標高1800mの広場っぽいところで小休憩し、また登る。南アらしいシラビソと苔の風景に出くわす。苔平だ。そして最後の急登を登り稜線の薊畑へ。ガッスガスで風もありなんとも荒涼とした感じ。ここを左(北)に行くと聖岳、右(南東)に行くと本日のテン場。午後1時半過ぎか。テン場へ行こう。そういえば、あのご夫婦は僕の後にいるはずだが、もう引き返していないと暗くなって下手したら帰れなくなる。引き返していることを祈る。 テン場のある聖平小屋へ。冬季小屋を見てみると一人先客が寝ていた。本体小屋も中から人の声がする。とっくに小屋閉じしたはずだが...?テントを設営しようとしたら冬季小屋の方が出てきて、他に誰もいないし小屋に来たらどうです?と。この方が長野から来られたシゲルさん。小屋の中にも入ってみたが、暗さが気になりやはりテント泊に。シゲルさんもテント泊へ変更。テントを張って中で一休みしていると、「こんにちわ!」と本体小屋にいた管理人の方の声に目覚める。聖岳や茶臼岳の椹島方面への登山道の情報(通行止め)などを得る。聖岳の登山道は来期登山シーズンには間に合うんじゃないか、とのこと。夕飯のカレーを作りワインを飲んで寝に入る。明日は3時半出発で御来光(晴れれば)の6時には山頂の予定。19時頃物音で目覚める。外をみると、なんと満天の星空。え?晴れた?これは明日が楽しみだ。また寝る。 2時半起床。ラーメンを食べて準備をする。3時半、出かけるタイミングでシゲルさんもテントから出てきた。一緒に聖岳へ向かう。雲ってる感じだ。山の話などをしながらも、暗くて景色も見えないのでひたすら登る。5時前、まだ暗い小聖岳山頂へ。ガスっぽい。一度下ってから、岩稜帯を一気に登る。高度を上げていくにつれ気温が下がり風も出てきた。アウターを着込む。岩の表面が霜で凍っている。5時半過ぎても暗いガスの中を登る。そして6時前に山頂へ。聖岳3013M!霜で凍てついたガスガスの荒涼とした山頂だった。御来光のタイミングだが、なーんも見えない...。折角だから奥聖岳に行ってみようか、ということになり、稜線を行き15分で奥聖の山頂へ。標識が二つあった。 写真を撮って今や引き返そう、というタイミングでふと南東をみると、ガスが晴れて青空がでていた。「あ、これ、なんかよくない?」と言っているうちに刻々と表情が変化し、雲の上にご来光が。おーっと思って聖岳方面をみると、山頂にかかっていたガスのベールが少しづつ脱がされだした。うっすらとガスに包まれた聖岳が太陽に淡く照らされ、なんとも美しかった。僕の好きな「光の画家」モネだったらこの景色をどう表現するのだろう?いや、これはまるでモネの絵を動画でみているかのようだ。北のほうは?とみやると...ん?ガスの中になんか見える...?もしやこれってブロッケン現象!?虹みたいな鮮やかな色はみえなかったけど。聖岳を見やると南東側の斜面がほぼ完全に姿を現し、ハイマツが緑を帯びる。太陽はガスとじゃれあっているかのようだ。15分間だけの神の創造。特別なご褒美。他の山々の眺望は全くなかったが大満足。この後山は再びガスに包まれる。 テン場へと戻り、パッキングをすまし8時半過ぎに下山開始。薊畑について上河内岳~茶臼岳方面をみると今度は滝雲。今日の神は頑張るね。上河内~茶臼周回も少し考えていたが、これでは何も見えない。やめてよかった。 ズンズン斜面を激下り。途中紅葉の美しさに何度か足をとめ写真を撮っている間にシゲルさんは先に行ってしまった。下っていくとロープウェイのところで待っていてくれた。もしかしてこれに乗るの...?疲れるよ。でも、待っている間に手繰り寄せてくれていたので乗って対岸へ。ふ~。ここからは林道歩き。往路と違って好天の紅葉を存分に楽しみながら歩く。登山口で例のご夫婦の自転車がないことを確認。無事に引き返したようだ。シゲルさんは易老渡から自転車、ここで別れを告げる。飲み会間に合ったかな?そこからは一人でのんびり紅葉を楽しみながら駐車場へ。午後1時ごろ到着。 余裕で6時前には帰れるなと思ったがやはり大間違い。中央道は小仏トンネル先頭に25㎞の大渋滞。八王子からは10㎞の断続渋滞。帰宅は午後8時もうぐったり。それでも聖岳に行って良かった。あの山での光景、紅葉の絶景。文化の日の週末、神々による美術展があまりに素晴らしかったので。 次は...光岳。
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