活動データ
タイム
49:36
距離
86.1km
のぼり
4419m
くだり
4421m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るそもそも俺がそれまであまり興味が無かった屋久島に行くきっかけとなったのは、たまたま開いた、とある一人の女性ブロガーさんの記録を読んだ事が発端だった。 元々同じ山しか登らない性格なのと人が多いメジャーなとこを避ける傾向にあるので、屋久島はそのきっかけが無かったらきっと今でも行ってなかっただろう。 それはずいぶん昔の記録だったけれど、相当な衝撃だったのを覚えている。 湯泊集落より入山し湯泊歩道をビバークしながら花乃江河まで登り、尾之間歩道を下る0to0。登るピークは七五岳と烏帽子岳のみ。 屋久島なのに永田も宮之浦も踏まずに。 この時もすっげぇ😱と思っていたが、実際に自分で湯泊歩道も尾之間歩道も歩いてからあらためてその凄さがわかった。 テント泊装備でNotoriousな湯泊歩道を単身登って、男でもゾッとする不明瞭極まりない深い深い原生林の中でビバークした時はどんな気持ちだったのだろう。 終わりの見えない長い長い尾之間歩道の下山時、たった独りで何を考えていたのだろう?。 そして2つだけ登っていたピークの七五岳。その景色に魅了されて「ここは必ず登りたい!」と思っていた。 三年前に初めて屋久島を三岳巡りしながら縦断した時に下山を湯泊歩道にした。が、三日目はどしゃ降りで七五岳への登頂は断念した。 七五岳への分岐でしばらく考えたが、この先湯泊集落までの不安感がそうさせたのかもしれない。本能的に不明瞭な道を一刻も早く抜け出したかった気持ちが強く働いたのかな。 七五岳には行かなかった。 結果論でしかないのだが、湯泊歩道を降りてからの林道歩きも道路がズタズタで熾烈を極め、夕方下山した。その七五岳に往復二時間を費やしていたらヤバかったのでパスして正解。 次回の宿題やね。 (もちろん例によってヤマップでログのダウンロードとかも無い時代の話です) さて、毎年屋久島0to0をして四年目。毎年どこの歩道登ってどこから下りようか?が楽しみでもある。 何の話からだったか?4410くんが「今年も屋久島行くなら一緒に行きたいです!」と言っていくれてたので快諾していた。 としおくんは去年散々な目にあったにも関わらず「来年も行くなら是非!」と言っていた(笑)。 よってメンバーは3人となった。 お2人には漠然と「とりあえず永田歩道からシートゥー永田かなぁ」とだけ伝えていた。 下山をどこにもって行くか、相当悩んだ。 「決まった。シートゥー永田からの湯泊下山」 と言うと4410くん「うわー!まさかの湯泊ーーー😱」という反応だった。喜んでたのかな?。悲鳴だったのかな(笑)?。 としおくんにもそう伝えて打ち合わせ。各種切符も押さえて年末年始それぞれ多忙な日々を過ごした。 ここから本編。 写真の数が半端なくなって申し訳ないですが、5日間の記録としてみると妥当な枚数では💦? 2018 12/29 博多駅にて3人集合。 赤のれんのラーメンを食べてから途中の温泉に入り、鹿児島まで走った。 夜中なので渋滞も無くすんなり鹿児島入りして、パーキングにて仮眠。 12/30 7:45のトッピーに乗る為に鹿児島南埠頭まで10分歩く。 手続きを済ませて待合室でのんびりしていたら、めぐりんさん登場✨!。これからご出勤なのにわざわざお見送りに来てくれた😆。 しかもお餞別までいただき、ありがとうございました🙇。 乗り込みが開始するとぞろぞろと大勢の人が動く。数少ない山屋(の格好や装備)の中にsouthwestを発見した。 あやっちやん‼️。一言二言声を交わしたが乗船の波に飲まれ、乗船した。 爆睡したらすぐに屋久島。体感的には5分で着いた感じ。 9:45 宮之浦港に降りると、まずヤクデンにて今夜の買い出し。 それぞれ食べたい物を持てるだけ買った(笑)。 永田集落までの長いロード歩きが始まった。 全員登山靴でのロード歩きになかなか手こずりながら歩いた。 しかし要所要所にある絶景ポイントでテンション上げつつ進む。 海の向こうに噴煙を上げる口永良部島が見えてきた。 口永良部島が近くなった頃、やっと長いロードが終わり永田集落。 予定では永田で食材購入だったが、あまりお店が無いと思っていたので宮之浦で揃えるつもりだった。が、4410くんが「永田に商店発見しました!。」と。後日電話してくれたら、事前に言ってくれたら食材準備してくれるとの事らしい。 4410くん曰く「くそー!俺も元気なら一緒に登ったのに!とおいちゃんノリノリでしたー」って。 永田の人なので永田から永田岳に登ってくれるのが嬉しいみたい。 橋を渡るとその商店。もう遠くに立ってるおいちゃんが見えた(笑)。 手を振ってる(笑)。 「あんたら若いねー!4410君はどの子?」と挨拶を済ませて店内に。 おいちゃんが信仰している永田岳についてたくさんの愛を語られ、胸が熱くなった。 「永田に来てくれてありがとう。あんたらみたいな人達がもっともっと永田から登ってくれたらいいのに。俺も元気だったらついて行くのに。」と何度も仰っていたので、お父さんの分の塩も持って上がりますよと言うと「じゃあこれを」と小分けされた塩を受け取った。 別途三岳を購入して「この三岳もお父さんからのお供え物として永田岳に置いてきます」と伝えた。 食料を手に入れてキャンプ場まで移動。寒いのでご厚意によりバンガローでご飯を食べさせてもらい、温かいお風呂に浸かって初日の旅が終わった。 4410くん、交渉や予約の手回しありがとう😊。助かりました❗。 宮之浦港→永田集落 22km 12/31 6:00 シートゥサミットスタート。 初めて歩く屋久島の歩道なので、暗闇登山は避けたかった。ちょうど登山口に着く頃に明るくなるのを計算してスタートした。 7:00 登山口。 ここから地獄の登りが始まった。それぞれ行動食で済ませながらひたすら登る。 12:00 おいちゃんの奥さん(?)が握ってくれた昆布のおにぎりを二個づつ食べた。 1000mに近付いた辺りから雪が出てくる。その時はそこまで深く考えておらず、むしろテンション上がっていたが、これから2日間我々は雪の恐怖を思い知る事になる。 「雪解けの恐怖」 この日は晴天だった。 1000m超えた辺りから、ふとポタッと何か落ちてきた。上を見ると晴天。雨ではない。 ポタッポタッポタポタポタポタ。 「葉っぱの雪が溶けよるんやろね」 と安易に考えて進んだ。 これが失敗だった。 この時にザックカバー、レイン上下、防水手袋、傘をさす等、雨と同じ対策をするべきだった。 「なんだ雪溶けか」と進んだ我々は、塵も積もれば…の諺通りに、鹿の沢小屋に着く頃には全身ずぶ濡れでガクブル。ザックびしょ濡れ。靴の中から頭の天辺までびしょ濡れ。 明日極寒の地に向かうのに不安でしかなかった。 「次からは雪溶けのポタポタも雨だと思おう」と3人で勉強した。 小屋内は貸し切り。板の間でご飯を作って8:00くらいには就寝した。 永田集落→鹿の沢小屋 10km 2019 1/1元日 凄く良く眠れて、心地好い目覚め。一度トイレに起きたが満天の星空だった。 としくんと4410くんはネズミと戯れていた。 5:30鹿の沢小屋スタート。山頂まで2km。日の出時間7:15を見越して充分余裕をみてのスタートとなった。 しかし。直後から膝までの雪に行く手を阻まれる。 進むにつれてそれは太腿までの深さとなり、完全に失速した。 踏み抜いた時に腰近くまで埋まる度に心が折れる。 焦りだしてももう遅い。 1km進むのに一時間を費やしている。 すなわち日の出時間はオーバーが確定となる。 残り500mにてとしおちゃんがトップを交代してくれる。 7:40 永田岳山頂。 ちょうど一面のガスが飛んでダイヤモンド宮之浦が見えた。 永田岳で日の出を迎えるのなら、「多分宮之浦岳の影になるかもしれない」と事前に言っておいたので、遅れて到着したのが逆に幸いしたのかもしれない(言い訳w) 気温はマイナスだろうけれど、無風なので極寒ではなかった。 みるみる周りのガスが解けてゆく。 そこには神の領域が広がっていた。 神様が舞い降りる山として言い伝えられている永田岳。 九州で2番目に高い山。 ブロッケンも出たり消えたり。 ただただ絶景が広がっていた。 今日の行程を既に押しているので、宮之浦岳へと縦走を開始する。 おっとその前に祠にておやっさんの塩と三岳、自分の竹筒をお供えした。 3人共お供えを終えてから宮之浦へ。 変わらず深い深い雪。 半分来たところで、今度は4410くんがトップを代わってくれた。 3人で交代しながら進む。 宮之浦岳への分岐まで来ると踏みあとがしっかり付いていて最高のコンディション✨。トレースを辿らせてもらって宮之浦直下の祠へ。 おやっさんの塩と、ありっ岳ちゃんの願い事を書いた紙が入っている竹筒をお供えした。 山頂にてしばらく写真を撮ったあとは、くりお岳へ。 トレースがあるだけ随分マシな歩行ができる。 ここまでで2時間ロスしているので、巻き気味で歩くが薄々もう手遅れなのはわかっていた。 くりお岳の祠にお詣りして我々3人とおいちゃんの三岳巡り完了。 【三岳巡りとは】 「屋久島にある三岳(宮之浦岳、永田岳、くりお岳)の各山頂直下に祠が隠されている。その祠へ竹筒に入れた砂or塩を海抜ゼロから持って上がり、各祠へ供える事を三岳巡りと呼ぶ。一般的な三岳とは宮之浦岳、永田岳、黒味岳を言うが、三岳巡りでは黒味ではなくくりおを指す。※民明書房刊 みんなのテクテク三岳巡りより抜粋(←嘘)」 三岳巡りを終えたあとは、ひたすら高度を下げて花乃江河を目指さねばならない。 当初予定していた黒味岳には残念ながら今回登る時間は無い。 いつも登る時間が無い(笑)。いつか必ず登りたいので宿題として残してゆく。 投げ石平にて小休止してから再スタート。 少し巻いて一時間遅れで花乃江河へ辿り着いた。 ここからは悪名高い、NotoriousYUDOMARIへと突入する。 13:45 湯泊歩道 長い長い不明瞭なルートの始まり。 序盤こそたくさんのピンクテープが下がっていたが、徐々に少なくなってゆく。 厳密に言うと少なくはない。里山レベルの数は巻いてある。 が、足りない。不明瞭極まりないトレイルにはそれだけじゃ足りていない。 頑張って距離を稼ごうにも、ラッセルにより午前中で7割の体力を使っているのと、全く減らない雪により思ったスピードが出ない。 3人共くたびれて足取りが重いままついに日没を迎え、暗闇の森となった。 足元は積雪でトレース無し。濃密なガスまで湧いてきてヘッデンの明かりが分散される。 五感をフルに研ぎ澄まし慎重に進むが、登山道を一歩二歩外れる度に足裏の危険センサーがビンビンに反応しまくり。 「ごめん外した」「ごめん外した」 「ごめん外した」「ごめん外した」 「ごめん外した」「ごめんまた外した」 と戻ってルートファインディング。数十回これを繰り返していると気が狂いそうになる。 足裏のセンサーが反応していると精神的に不安定になりそれが続くと吐きそうになる。 ここをログも何も無い時代に1人で下りた俺は狂っていたとしか思えなかった。 1人の目でロストしたルートは、3人でさがしたら不思議と簡単に見つかったりする。 トドメとして水場で今夜の分の水を補給したら、更に重くなったザックにより全員死に体となる。 「湯泊歩道」と書かれたプレートが見える度に、心から安堵する。 ぶつくさ文句言いながらも、ついに無事三能小屋跡地へ着き、ビバークした。 鹿の沢小屋→永田岳→宮之浦岳→くりお岳→花乃江河→三能小屋跡地 10kmぐらい 1/2 烏帽子岳への朝日登山の予定だったが、5:00に起きると漆黒のガス空。 トイレ行って帰る時に迷子になりそうなくらい濃い霧だったので、中止とした。 8:30 撤収スタート。 すぐに七五岳への分岐に出る。 ザックを、デポして空身で七五岳へ登った。 途中途中に見える七五岳は、恐ろしく切り立った岩山。「クライミングしきらんけど本当に登れるやろか💦?」とか「ちなみにブログの女子はバキバキのクライマーさんだからね」とか言いながら進む。 ロープが随所に設置されていてちゃんとピークまで踏めるようになっていた。 山頂手前までは濃密なガスだったが、しばらく待つと… 奇跡が起きた。 ガス全部飛んだ😱 眼下に絶景が広がっており、不明瞭なジャングルも一望できた。 ずっとずっと心に引っ掛かっていた七五岳。 冬休みの宿題が無事に終わって感無量だった。 このピークにて屋久島の山々を眺めるのは最後となるので、時間は気にせずに眺めを堪能した。 また分岐まで戻ると昨日と変わらずに不明瞭なトレイルを巻きで下山する。 昼間でも「ごめん外した」という場面が多々あるのに、昨夜ガスの暗闇で数時間歩いていたのがちょっと笑けてきた。 やっと。やっと。長かった湯泊歩道が終わって林道に出る。 しかしここからも土砂崩れを乗り越えながら進まねばならない。 もし予測していなかったら心が折れたかもしれないが、もう周知の事実なので車道歩きも楽しみながら歩けた。 海が見え、遂に車道へ出る。 ふと右を見ると釣具屋さんがある。 良く見るとビールケースが積んである!。 目が輝く4410くん。 各々好きなドリンクを購入してグビグビ飲んだ。 平内海中温泉へ立ち寄ったが、まだ満潮で入れなかった。 仕方ないので次の目的地尾之間温泉まで歩を進める。 ここも長く感じた。 しかし自販機もあるしルーファイもいらない。 喋りながら、歌いながら、アスファルトの上を歩いていればそのうち着く。 尾之間温泉に着くとたくさんの車が停まっていた。 ごった返す温泉にて身体を清めて熱過ぎるお湯で温まり、次のスーパーへ。 Aコープが見えると全員の足取りが軽い‼️ 買い物かごにそれぞれの欲望を詰め込み、1人数千円の精算となった(笑)。 ステーキは3人で殆んど買い占めたんやないかな(笑)? ジェリーズキャンプ場まで歩いて今日の歩行が終了した。 肉焼き祭りを開催してからお先に就寝。としおちゃんと4410くんはアックスマンの待つ焚き火ブースへ消えて行った。 七五岳→湯泊歩道登山口→湯泊→平内→尾之間 23km 1/3 20:00には寝た俺はオッサンのように4時に目が覚めてゴソゴソ片付けをした。 朝ごはん食べてから撤収。 少し時間があったのでアックスマンと再会の挨拶を❗。再会の挨拶やけどお別れの挨拶か(笑)。 アックスマンと談笑していたら皆の準備が整い、安房へ向けて最後のハイクを開始した。 今日で終わりの歩き旅も、これでラストかと思うと寂しいような。ホッとするような。 今日で肩の痛みや足のマメの痛みから解放される。 一緒に歩いたとしおちゃんと4410君はどんな気持ちだったのだろう。 少なくとも俺はホッとする気持ちよりも寂しい気持ちの方が大きかった。 南国のシーサイドをアホな事ばっかり言いながら歩いた。暑いっつったり寒いっつったり。 ピッケル欲しい!前爪欲しい!て言ったり、短パン持ってくれば良かった、ルナサン欲しい!と愚痴ばっかり言ってて進歩しとらんなーと(笑) 時間押し気味で安房に着くと、一目散にモスバーガーへ入り、文明の味を堪能した。 お腹を満たした二人はゼロタッチの為に砂浜へと降りる。 彼等にとって。とても大切で深い意味を持つ儀式的行為であるゼロタッチ。 5日間トラブルや至難を乗り越えてきて。 キラキラと光り輝く海面に満面の笑みのスルーハイカー2人が足をつけて、この旅は終演を迎えた。 としおちゃん、相変わらず癒しの笑顔と、関西のお笑いをありがとう😌。 4410くん、たくさんのサポートありがとう😌。色々助けられました👍。 喜びは3倍、辛さは1/3。 いやぁ痺れたねー😁 白髪増えたぞ(笑)
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