活動データ
タイム
08:32
距離
6.3km
のぼり
747m
くだり
748m
活動詳細
すべて見る前回のあらすじ。赤石小屋まであと30分というところでカミナリ様の怒涛のヨダレ攻撃に屈し買ったばかりのサラピンウヒヒヒツェルトを呆気なくピロリと放出してしまったワタクシ。そのままビバークとなりましたが今回は晴れてんのか?どうナンスカ!ね? ……一夜明け、ツェルトからモゾモゾと顔を出すとすっかり雨は上がっており、木々の間からは朝日が神々しく射し込んでいます。ヨッコラショと激狭宿から這い出してウーンとひと伸びすると足元には赤い帽子をチョコンと乗っけた小さな森のチビッコが。オゥ〜かわいいネ!キミィお名前は?「ウン!ボク、ベニテングダケボウヤだよ!」……毒…だよね…。「た、たしかにドクですがEU方面じゃあシアワセアイテムですよう!」うーむたしかに鬱蒼とした森の中に真っ赤な帽子の小さなボウヤを見つけたらイイコトありそう!ヨシャ!イイもん見た!出発じゃい!早速ヤマップにログイ〜ンン…あ、アレレ、ログオフしちゃった。えと…えー再びログイン…と。…エ、ぱすわーど?んと、なんだっけ?コレだっけ?ン?コッチか?何個か思い付くまま打ち込みますが結果としてログイン出来ず。ま、今日泊まる事にした荒川小屋で再チャレンジしよ。さ、ソソクサと撤収して赤石小屋へ。本日の天気予報はやはり雨とのこと、早目の行動を促されます。水不足と聞いていましたが貰うことが出来まして赤石小屋をあとにします。ほどなく富士見平に到着ゥ。小雨の中、見渡すかぎりの白いモヤ。ナンも見えんし。さっさと赤石岳に向かいましょう!途中から雨も上がり時折日差しも見え始め。ガレ場の急坂をハァハァヒィヒィと登り切れば、オオッ!モヤモヤやんけ〜〜…休憩じゃい。目の前に赤石岳がそびえ立っているはずなんですが相変わらずモヤモヤです。まだ昼にもなっていないしユックリしていますとモヤモヤもモヤ〜くらいになってきて赤石岳が雄大な姿を見せ始めました。ヤッター!とザックをデポして赤石山頂を目指していくと雷鳥親子が。赤石山頂からの眺めはといいますとやはりモヤモヤで残念なものでしたがまた次回ということで荒川に向かうことにしました。結局それ以降雨には降られず荒川小屋に素泊りとなりまして5人の宿泊のみだったので贅沢空間で楽しい一晩を過ごせました〜。ベニテング坊やのおかげダナ。きっと。ツェルトも乾かせたし、ヤマップも再ログインできたし。 翌朝。昨晩はひどい風だったのでのでチョット心配でしたが天気は晴。しかし強風とのこと。同宿の山岳ガイド氏からの山頂付近強風注意報が発令され、皆こころして小屋を後にしました。今日は千枚小屋テン泊に決めたのでユックリと一番最後に小屋を出たのですが何故か一足登山靴が余ってる…誰の?モシカシテ… 気を取り直して荒川三山に向かって高度を上げていきます。振り向くと緑で満たされた山の懐に荒川小屋がポツリと見えて、なんとも愛おしく感じてしまい何度も何度も振り向きつつ小屋に別れを告げたのです。花畑の保護柵を通過し、サテ、いよいよあの稜線にと気合いを入れておりますとナンか寒い。ナントカカールみたいな山肌をまたもやモヤモヤが登ってくる。お花畑方面はと見てみるとすでにモヤモヤ!またカールを見てみるとスゴイ勢いでモヤモヤ駆け上がってきてブヒョオオーーという声とともに雨つぶを引き連れて「ワシがヤマガールのウェアをヒッペガシタルワァーーッ‼︎オラァーー‼︎」という激しさ。ちょっとビビった。ビビったのでその場で暫く小休止しながら通過するヒトを観察したり稜線付近の様子を聞いたりしてみましたが、皆ハッピー感などビタ一文出してくれません。ウーム山岳ガイド氏の予言通りの展開!恐るべしプロガイド!注意喚起ありがとうございました!今この場をお借りして御礼申し上げます。で、どう対処すればよいので? …聞いてなかったナ。対処方法。…1人荒川三山から下ってくるヒトを捕まえ、「上はァどうスカッ⁉︎」なんてビビリ隠して聞いてみますと「風強いですッ!ウェアをシッカリッ!ジップアップして行ってクダサイッ‼︎」「ラジャ‼︎(泣)」 泣きながら覚悟を決めて言われるがままにジップアップして一歩を踏み出すと「ゴルゥラァァーーッ‼︎」 ズババババと容赦ないヤマの雨風。「フッ…帰ろかなァ…」どこへ?「グルっとヤマを回らなければアンタは帰れないんだよ!ズババババァッ‼︎」…ごもっとも。なんとかズルズルと前岳に到着。せ、せめてフォトらせてクダサイとiphoneでパシャリ。そしてそれが本日最後の一枚となったのです。 「ズババババァーー‼︎ビョオオオーー‼︎ビシャビシャァーーッ‼︎」最後のビシャビシャァはワタクシの叫びですよ。心のじゃないよカラダだよ。カラダも、か。這々の体とはよく言ったもので正にその通り、這うように風雨を避け、いえ避けれてませんが何とか中岳避難小屋に避難(正しい避難小屋の使い方ですネ!)しようと小屋方面を見るとそこには同じく濡れ鼠がイッパイ! 濡れたザックを小屋の外に置き「タ、タスケテクダサイ〜〜」と小屋の戸を開けようとしたその時中から戸が開き「んァ、開けずに済んだよラッキー」と顔を上げるとアレ?ン?アンタどっかで見たヒトだァ〜。そこにはなんと知り合いの顔が!お互いにビックリ!行き先も同じく千枚小屋ということで後で落ち合うことに。中岳避難小屋で温かいコーヒーを頂き(砂糖、クリーム入りタイプは有難かったです。普段はブラックですが寒くて疲れている時は甘いのが嬉しいです)いよいよ悪沢へ向かいますよ!悪ですよワル!雨降ってんですよ。避難小屋の主人曰く、「こんなのは雨じゃないよ〜」イエ、ワタクシの知る限り下界ではアラシと呼びますよ、学校も休校ですよ、イヌだって小屋から出ませんよ!わたしらは出ますがね。だって早く温もりを得たいもん! サテ、避難小屋をビシャビシャと後にしたワレワレ一行は(といいましても皆に抜かれまくって結局ひとり心細く)そのままグショグショと悪名高き(ホントは知りませんが)悪沢岳に。(本名はフツーに東岳。ハクねえなァ。人間だったらオイ、東ィなんて呼び捨てですナ)足場は岩が多く、いえ岩のみ。ヌレヌレの岩とスキマとまた岩をオロオロヨタヨタと行く。風が治っても周りは依然モヤモヤ。周りの景色は全く見えず、目に入るのは岩に印された赤いマル印や棒線のみ。ハア?こんな壁をよじ登るのですかい?アワワワ3点確保でなんとか乗り切ると(2箇所ほどあったかな?)再び雨。わ、悪よのう… …ワル沢ァ〜! 丸山でUターン気味に歩いている気がしてヤマップGPSで確認する。地図コンパスも持ってますがスマホGPSが画面も大きくて良いな。千枚岳で何も見えないことをガックシと確認し小屋方面にさらに下っていく。降り続く雨の一滴一滴が首筋を伝う。冷たい雨粒が貴重な体温を奪って熱を帯びた時、鍛え抜かれ、カミソリの刃さえ喰いこむ隙の無い俺の胸筋のどこからかそれは侵入し、その場所を知っていたかのように心の片隅に溜まっていく。まるで鉛のように比重を増して… 中岳避難小屋のあの女。…唇の色が尋常じゃなかった…震えていたな……無事下山できればいいが…… ズルうッッ‼︎ベチャッ‼︎ ウウ〜〜酷い道や〜千枚小屋までの小道はまるで小川の様相。アカン、アカンで!考えごとすると必ずコケると分かってんのにな〜アンタ隙間だらけやないか!誰にも見られとらんやろな!ウウ…まだかいナ〜千枚小屋〜〜おパンツまでグッショリですのに〜〜ふええ〜…オ!人工建造物か?あゥ〜!やっと着いたよ千枚小屋〜!早速ビシャッと受付けに出向き、グニャッとエンピツを走らせ、グッショリ札でお支払い。スミマセーン。 14時締切りという牛丼をスバヤク注文しておき、知り合いに再会の挨拶をすませ、ビショビショヌレヌレなのでテン泊➡︎素泊りに変更し(降られた瞬間に決定済み、知り合いはテン泊強行のツワモノ)、素泊り小屋の百枚小屋(千枚じゃないのよ)にて荷物開放!荒川素泊り小屋より混んでいましたが2畳使えたのでこれまたユッタリでした。濡れたものを落ち着かせると再び千枚小屋の食堂へ。牛丼も頂き、知り合いと久しぶりの話も出来たしね。良い一日だったナ。…?。そういえばヤマの美しい景色の記憶は無かったナ…… 寝るか… 明日も早いし?どのみち帰りはチャリだしナ…バスの時間に縛られてるわけじゃないしね… チャリか… シンドイナ…… でも楽し……グゥ…。 まだつづくのだ。
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