17/sep/2016 第5日目

2016.09.17(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 23
休憩時間
3 時間 29
距離
13.3 km
のぼり / くだり
969 / 502 m
8 23

活動詳細

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朝、歯を磨きながらテラスでトレッキングウェイに目をやると欧米人の男女が困った表情をしていて、女性は首を振って頭を抱えています。あまりジロジロ見下ろすことも出来ませんが、どうやらヒルにやられたようです。男性も気になって靴下を脱ぐと数カ所張り付いており、二人してプチパニックになり始めました。そこに料理自慢のオヤジが出てきて、「ワシも今朝やられたぞい」と血を垂れ流した足を見せてました。ヒルは肌を傷つけて血を舐めるそうで、この時血が固まらないような液を注入してくるそうです。地元のオヤジなら薬草とか対処方法を知ってそうですが、アドバイスしてたのは「剥がしたヒルはトドメを刺しなさい」でした。 宿を出立してそのヒル地帯を通過する私も気になって足元を点検するたびに1、2匹張り付いていました。日本での山行パートナーNさんに「剥がしたらダメ、吸わせるだけ吸わせる」と聞いたことがあるように思いますが、ゴメン、無理。防水靴下のおかげか、靴下の上から吸われることが無いだけマシでした。 さて、 本日は今回のコースでもう一つ、密かな企みが実行できた素晴らしい日となりました。 18年半前、私が24歳の時にこのコースを通ったのですが、同じように下りの途中、ある売店で休憩の時にゆで卵を注文しました。ゆで卵は2個セットで出てくるのですが、その時のゆで卵、特に黄身の濃厚な味が鼻に抜ける感じで、ゴメンなさい上手く表現出来ないのですが、何年経っても忘れられない最高のゆで卵だったのです。なのでネパール入りしてから朝食はほとんど毎日ゆで卵を注文してたのですが、いつも薄い黄身に失望させられてました。なんだ、昔のことを美化しすぎてたのかな、と。それが今日、 アレ?ここの売店、見覚えあるぞ! 私は興奮する気持ちを抑えて売店のおばさんにゆで卵を注文しました。そして、そのおばさんに聞きました。 「22、3歳の息子さんはおられませんか?」 私は18年前、この売店で出された2個のゆで卵のうち、一つ目が最高に美味かったので残りのもう一つを人懐こく私の横に座る男の子にあげたのです。男の子はママの顔を伺い、ママがニッコリ頷いたのを確認し、嬉しそうにゆで卵を食べていました。 そうです。その時、私は男の子の写真を撮っていたのです。 キョトンとするお母さんに一部始終を説明すると嬉しそうにビックリして、23歳になる息子は今はポカラに仕事に出ています、と教えてくれました。私は日本に帰って写真を送ることを約束し住所をお聞きしました。 じきに注文したゆで卵が出てきました。同じです。明らかに濃厚な、18年前と同じ黄身の味です。 私の人生の思い出の旅が再びこのように繋がるなんて、と勝手に歓喜した出来事でした。 ・・・・ そろそろ家に帰りたくなってきました。帰って写真を探さないといけませんね。同封する手紙には使わなかったネパールルピーを同封し、 「If through my son is here, please give your boiled eggs(もし私の息子がここを通ったら、ゆで卵を与えて下さい)」と書き添えましょう。 Good by NEPAL! Thank you NEPAL !

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