初雪山〜犬ヶ岳:3泊4日の大縦走

2016.12.30(金) 4 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間
休憩時間
2 時間 40
距離
6.4 km
のぼり / くだり
938 / 119 m
DAY 2
合計時間
7 時間 40
休憩時間
1 時間 42
距離
3.4 km
のぼり / くだり
737 / 333 m
DAY 3
合計時間
10 時間 48
休憩時間
5 時間 11
距離
3.4 km
のぼり / くだり
464 / 411 m
DAY 4
合計時間
10 時間 10
休憩時間
3 時間 2
距離
11.5 km
のぼり / くだり
366 / 1638 m
40
43
6 13

活動詳細

すべて見る

今年の正月は境川源流の山々を巡る3泊4日の旅に出かけた。 今回、目指す山はふたつ。 一つは標高1610mの初雪山。登山道がなく積雪期にしか登れない山だ。 もう一つは標高1593mの犬ヶ岳。親不知と朝日岳を繋ぐ栂海新道の途中にあり、夏でも行くのが大変な奥地にある。 長いなだらかな稜線が続く初雪山と、険しい稜線が続く犬ヶ岳。性格の違うふたつの山は異なる厳しさがあった。 山を始めて5年。今までで最高に内容が濃く、充実した山行であった。 天気に恵まれたこと、最高のメンバーでアタックできたこと、そして全員無事に下山できたこと。 本当にありがたい年末年始の4日間でした。今年も安全で楽しい山行ができますように。 詳しい記録は写真につけたコメントにて。

白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 1日目は、大平の集落を6:20に出発。まずは、初雪山の取付きまで約4.5kmの林道歩き。
1日目は、大平の集落を6:20に出発。まずは、初雪山の取付きまで約4.5kmの林道歩き。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 8時11分、寝入谷(ねいりだん)出合いに到着。雪はかなりある。
8時11分、寝入谷(ねいりだん)出合いに到着。雪はかなりある。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 8時14分、いよいよ初雪山へのアタック開始だ。ここの標高は280m。山頂は1610m。
8時14分、いよいよ初雪山へのアタック開始だ。ここの標高は280m。山頂は1610m。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 しばらくは藪漕ぎが続く。
しばらくは藪漕ぎが続く。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 想像以上の積雪でラッセルがきつい。
想像以上の積雪でラッセルがきつい。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 一面銀世界。
一面銀世界。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 10時33分、標高500mを越えた。
10時33分、標高500mを越えた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 先ほどまでしんしんと降っていた雪も止み、青空が広がる。
先ほどまでしんしんと降っていた雪も止み、青空が広がる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 6人で交代しながらのラッセル。
6人で交代しながらのラッセル。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 13時10分、732mのピークを越えた先で足が吊ってしまった。慣れない重荷を背負ってのきつい登りが応えたようだ。ツムラの68番(芍薬甘草湯)を飲み、一休みして再スタート。
13時10分、732mのピークを越えた先で足が吊ってしまった。慣れない重荷を背負ってのきつい登りが応えたようだ。ツムラの68番(芍薬甘草湯)を飲み、一休みして再スタート。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 標高800m近くからは、ブナの林が広がる、なだらかな斜面となる。
標高800m近くからは、ブナの林が広がる、なだらかな斜面となる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 14:30、ちょうど良い場所を見つけ、テントを設営する。日も傾いてきた。
14:30、ちょうど良い場所を見つけ、テントを設営する。日も傾いてきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 並んだ2張りのテント(2人用と4人用)。
並んだ2張りのテント(2人用と4人用)。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 日が沈み、夜の帳が下りる。
日が沈み、夜の帳が下りる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 一日目の夕飯は豚キムチ鍋。生野菜と豚肉が重かった。
一日目の夕飯は豚キムチ鍋。生野菜と豚肉が重かった。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 鮭の燻製も炙って香ばしくして頂く。19時30分には就寝した。
鮭の燻製も炙って香ばしくして頂く。19時30分には就寝した。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 2日目は4時30分起床、6時30分出発。左側にこれから進む尾根が見える。中央のピラミッドが犬ヶ岳(1593m)。
2日目は4時30分起床、6時30分出発。左側にこれから進む尾根が見える。中央のピラミッドが犬ヶ岳(1593m)。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳から白鳥山へと伸びる稜線。栂海新道の一部をなす。
犬ヶ岳から白鳥山へと伸びる稜線。栂海新道の一部をなす。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 相変わらずの深い新雪に苦戦しながらゆっくり標高を稼いでいく。
相変わらずの深い新雪に苦戦しながらゆっくり標高を稼いでいく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 7時41分、標高1050m地点。来た道を振り返る。
7時41分、標高1050m地点。来た道を振り返る。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山の山頂を捉えた。まだまだ遠い。
初雪山の山頂を捉えた。まだまだ遠い。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 左の方には天高く突き上げる犬ヶ岳。
左の方には天高く突き上げる犬ヶ岳。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪は深いが、藪は少ない。
雪は深いが、藪は少ない。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ザックを背負ったままのラッセルはきつくなり、トップはザックを置いて空身で100歩ラッセルし、またザックの場所へ戻って最後尾につく。
ザックを背負ったままのラッセルはきつくなり、トップはザックを置いて空身で100歩ラッセルし、またザックの場所へ戻って最後尾につく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 延々と続くラッセル地獄だ。
延々と続くラッセル地獄だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 9時3分、標高1200mを越える。
9時3分、標高1200mを越える。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ベテラン陣のラッセルを見て学ぶ。一度にたくさんの雪を上から落とし、踏んで固めて階段を作っていく。
ベテラン陣のラッセルを見て学ぶ。一度にたくさんの雪を上から落とし、踏んで固めて階段を作っていく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山から犬ヶ岳へと続く稜線も徐々に見えてきた。
初雪山から犬ヶ岳へと続く稜線も徐々に見えてきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 10時7分、標高1400mで2本の尾根が合流する手前にて、隣の尾根にトラバースする。
10時7分、標高1400mで2本の尾根が合流する手前にて、隣の尾根にトラバースする。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 斜度が急なため、体の前の雪が胸に迫る。激ラッセルである。雪崩にも注意だ。
斜度が急なため、体の前の雪が胸に迫る。激ラッセルである。雪崩にも注意だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山への登りはまだまだ続く。
初雪山への登りはまだまだ続く。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 10時11分、トラバース完了。
10時11分、トラバース完了。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ザックを取りに帰るトップ(Sさん)。
ザックを取りに帰るトップ(Sさん)。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 標高1400mから斜度は一気に急になる。
標高1400mから斜度は一気に急になる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 前の人が見上げる角度にいる。トップのラッセルで雪の塊がいっぱい落ちてくる。
前の人が見上げる角度にいる。トップのラッセルで雪の塊がいっぱい落ちてくる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 下を振り返ってみる。かなりの高度感。
下を振り返ってみる。かなりの高度感。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 奥に見える青い場所は日本海。
奥に見える青い場所は日本海。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 40°を越える急斜面のため、トップがラッセルしても全然雪が固まらない。この後、雪庇が張り出している右側の尾根に出た。初雪山への道で一番緊張した場所である。
40°を越える急斜面のため、トップがラッセルしても全然雪が固まらない。この後、雪庇が張り出している右側の尾根に出た。初雪山への道で一番緊張した場所である。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 大地山から初雪山へと続く稜線と、右奥は黒菱山。
大地山から初雪山へと続く稜線と、右奥は黒菱山。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 反対側は白鳥山。青空が広がってきた。
反対側は白鳥山。青空が広がってきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 全員が無事に最危険箇所を越えるまで見守る。
全員が無事に最危険箇所を越えるまで見守る。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 稜線の奥の市街地は、黒部扇状地。
稜線の奥の市街地は、黒部扇状地。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山の山頂はもう近い。この稜線上は猛烈な風が吹いていた。その証拠に雪庇が大きく張り出している。
初雪山の山頂はもう近い。この稜線上は猛烈な風が吹いていた。その証拠に雪庇が大きく張り出している。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪庇から離れて歩く。灌木のある場所は安全だ。
雪庇から離れて歩く。灌木のある場所は安全だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 かなり高度感のあるスリリングな尾根だ。
かなり高度感のあるスリリングな尾根だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 11時40分、標高1500mに到達。もう少しである。
11時40分、標高1500mに到達。もう少しである。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 12時6分、初雪山山頂付近の三角点(1595.6m)に到達。
12時6分、初雪山山頂付近の三角点(1595.6m)に到達。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ポールの立っている位置が初雪山の本当の山頂。予定より遅れているため、あの場所へは行かないことにした。
ポールの立っている位置が初雪山の本当の山頂。予定より遅れているため、あの場所へは行かないことにした。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 三角点で全員の到着を待つ。
三角点で全員の到着を待つ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 12時24分、初雪山から犬ヶ岳へ向かう稜線へ足を踏み入れる。おそらく、ほとんど誰も足を踏み入れたことがない場所だ。下りるべき尾根を確認中。
12時24分、初雪山から犬ヶ岳へ向かう稜線へ足を踏み入れる。おそらく、ほとんど誰も足を踏み入れたことがない場所だ。下りるべき尾根を確認中。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山から北東に伸びる尾根を下る。なだらかな尾根で滑落の心配は低い。
初雪山から北東に伸びる尾根を下る。なだらかな尾根で滑落の心配は低い。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳へと続く稜線がはっきり確認できる。これから行く道だ。
犬ヶ岳へと続く稜線がはっきり確認できる。これから行く道だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 下の尾根が登ってきた初雪山への尾根だ。
下の尾根が登ってきた初雪山への尾根だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 下りは楽。スイスイ進める。
下りは楽。スイスイ進める。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪庇にはいつも要注意。
雪庇にはいつも要注意。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ほぼ正面に見える山が犬ヶ岳。
ほぼ正面に見える山が犬ヶ岳。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳へは小さなピークをいくつも乗り越えて行く必要がある。
犬ヶ岳へは小さなピークをいくつも乗り越えて行く必要がある。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 2日目も14時30分前に良い場所を見つけ、行動を終了する。
2日目も14時30分前に良い場所を見つけ、行動を終了する。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 するめを炙っておつまみにしながら晩酌だ。
するめを炙っておつまみにしながら晩酌だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 2日目の夜はカレーだ。19時、ラジオで紅白歌合戦を流しながら就寝。
2日目の夜はカレーだ。19時、ラジオで紅白歌合戦を流しながら就寝。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 3日目の朝は元旦ということで、年越し(た)蕎麦とお餅。
3日目の朝は元旦ということで、年越し(た)蕎麦とお餅。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 昨晩は細かい雪が終始テントを叩いていた。天候の回復を待って7時20分に出発。険しい犬ヶ岳への登りに備え、全員ハーネスを装着する。
昨晩は細かい雪が終始テントを叩いていた。天候の回復を待って7時20分に出発。険しい犬ヶ岳への登りに備え、全員ハーネスを装着する。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 小ピークをいくつも越えていく。
小ピークをいくつも越えていく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 目指す犬ヶ岳は右上の雲の中。
目指す犬ヶ岳は右上の雲の中。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳の大きな山容が真正面に迫ってくる。
犬ヶ岳の大きな山容が真正面に迫ってくる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 稜線は一度1270mの最低鞍部まで落ちてから1593mの山頂へ向け突き上げている。
稜線は一度1270mの最低鞍部まで落ちてから1593mの山頂へ向け突き上げている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雲の隙間から一瞬だけ犬ヶ岳の山頂が姿を現した。化け物のように聳え立つ壁に圧倒される。
雲の隙間から一瞬だけ犬ヶ岳の山頂が姿を現した。化け物のように聳え立つ壁に圧倒される。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪庇が複雑に張り出しており、いやらしい稜線となっている。
雪庇が複雑に張り出しており、いやらしい稜線となっている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 9時、1270mの最低鞍部を通過し、いよいよ犬ヶ岳への最終アタックが始まる。まずは両方向へ雪庇が張り出したヤセ尾根を慎重に進む。
9時、1270mの最低鞍部を通過し、いよいよ犬ヶ岳への最終アタックが始まる。まずは両方向へ雪庇が張り出したヤセ尾根を慎重に進む。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 この稜線の右側は黒薙川の源流、すなわち日本有数の名渓、北又谷の最奥地となっている。
この稜線の右側は黒薙川の源流、すなわち日本有数の名渓、北又谷の最奥地となっている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 気の抜けない稜線上で心を癒してくれたのは、木に生えたキノコであった。
気の抜けない稜線上で心を癒してくれたのは、木に生えたキノコであった。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪庇と藪に阻まれてなかなか前に進めない。
雪庇と藪に阻まれてなかなか前に進めない。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 稜線の左側は、境川源流の似虎谷(ねごや)。遡上するのはかなり険しい沢である。
稜線の左側は、境川源流の似虎谷(ねごや)。遡上するのはかなり険しい沢である。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 標高1400mを越えた先で待っていたのはナイフリッジだ。左に落ちれば似虎谷、右に落ちれば北又谷の餌食となる。安全に通過するためにはザイルが必須である。
標高1400mを越えた先で待っていたのはナイフリッジだ。左に落ちれば似虎谷、右に落ちれば北又谷の餌食となる。安全に通過するためにはザイルが必須である。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ナイフリッジを一人ずつ慎重に通過していく。
ナイフリッジを一人ずつ慎重に通過していく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ナイフリッジを越えたら最後の激登が始まる。藪などの手がかりがしっかりあるため、ザイルはいらないようだ。
ナイフリッジを越えたら最後の激登が始まる。藪などの手がかりがしっかりあるため、ザイルはいらないようだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 歩いてきた険路を振り返る。
歩いてきた険路を振り返る。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 斜度45度に達する斜面を必死に交代でラッセルすること約1時間、標高1530mを越え、犬ヶ岳から朝日岳へと続く稜線(栂海新道;つがみしんどう)が右側に姿を現した。猛烈な風が吹き荒れて、雪煙が舞い、巨大な雪庇が張り出している。
斜度45度に達する斜面を必死に交代でラッセルすること約1時間、標高1530mを越え、犬ヶ岳から朝日岳へと続く稜線(栂海新道;つがみしんどう)が右側に姿を現した。猛烈な風が吹き荒れて、雪煙が舞い、巨大な雪庇が張り出している。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 急登はもうすぐ終わる。ここで青空が広がってきた。
急登はもうすぐ終わる。ここで青空が広がってきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 稜線上は猛烈な風が吹き荒れている。風で煽られて転倒しないように一歩一歩確実に歩いていく。
稜線上は猛烈な風が吹き荒れている。風で煽られて転倒しないように一歩一歩確実に歩いていく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 後ろを振り返ると、初雪山から歩いてきた稜線がはっきり見えた。
後ろを振り返ると、初雪山から歩いてきた稜線がはっきり見えた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 12時45分、急斜面を登りつめ、栂海新道に合流する。犬ヶ岳山頂はすぐそこだが、険しい地形に雪庇が発達し、危険なため、ロープをフィックスして進む。
12時45分、急斜面を登りつめ、栂海新道に合流する。犬ヶ岳山頂はすぐそこだが、険しい地形に雪庇が発達し、危険なため、ロープをフィックスして進む。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 朝日岳へと続く厳冬期の栂海新道は人を寄せ付けない荘厳な稜線だ。
朝日岳へと続く厳冬期の栂海新道は人を寄せ付けない荘厳な稜線だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 30mロープで2ピッチ伸ばして危険箇所を通過。暴風が吹き荒れる中、ロープをセットしてくれたベテラン陣に感謝。
30mロープで2ピッチ伸ばして危険箇所を通過。暴風が吹き荒れる中、ロープをセットしてくれたベテラン陣に感謝。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 稜線上は常に猛烈な風が吹き付けてくる。いつでも耐風姿勢を取れるように、四つんばいで進むのが安全だ。
稜線上は常に猛烈な風が吹き付けてくる。いつでも耐風姿勢を取れるように、四つんばいで進むのが安全だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 そして犬ヶ岳山頂へ向けての最後の登り。時折、目も開けていられないほどの風が吹き付けてくる。
そして犬ヶ岳山頂へ向けての最後の登り。時折、目も開けていられないほどの風が吹き付けてくる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 13時41分、ついに犬ヶ岳山頂に到達。感無量だ。
13時41分、ついに犬ヶ岳山頂に到達。感無量だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 だが時刻は既に14時前。暴風が吹き荒れる稜線上から一刻も離れ、風の穏やかな場所まで下りてテント場を探さねばならない。
だが時刻は既に14時前。暴風が吹き荒れる稜線上から一刻も離れ、風の穏やかな場所まで下りてテント場を探さねばならない。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪に閉ざされた栂海山荘。
雪に閉ざされた栂海山荘。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ものすごく発達したエビの尻尾。ここが、いかに強烈な風に晒されているかが分かる。
ものすごく発達したエビの尻尾。ここが、いかに強烈な風に晒されているかが分かる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 栂海山荘を通過し、白鳥山へと続く稜線を進んでいく。ザイルは必要ない斜面だが、練習として1ピッチ懸垂下降した。
栂海山荘を通過し、白鳥山へと続く稜線を進んでいく。ザイルは必要ない斜面だが、練習として1ピッチ懸垂下降した。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 例に漏れず、下りは早い。どんどん標高を下げていく。
例に漏れず、下りは早い。どんどん標高を下げていく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 糸魚川市方面。デンカの青海工場のある黒姫山が見える。
糸魚川市方面。デンカの青海工場のある黒姫山が見える。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 相変わらず稜線上は風が強い。富山県側から新潟県側へと吹き抜けていく。
相変わらず稜線上は風が強い。富山県側から新潟県側へと吹き抜けていく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 後ろを振り返る。栂海山荘は遥か上方。懸垂下降した地点では2人がザイルを片付けている。
後ろを振り返る。栂海山荘は遥か上方。懸垂下降した地点では2人がザイルを片付けている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 皆だいぶ降りてきた。
皆だいぶ降りてきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 時折、突風で雪煙が舞い、雪の粒が顔を叩く。
時折、突風で雪煙が舞い、雪の粒が顔を叩く。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 標高1400mを切った。
標高1400mを切った。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 今はいい天気だが、明日の午後から崩れ始める予報だ。
今はいい天気だが、明日の午後から崩れ始める予報だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雲を纏った初雪山。
雲を纏った初雪山。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 中央より少し上の黒い植林帯が、初雪山への取付き。くるっと大きく周遊してきたのだ。
中央より少し上の黒い植林帯が、初雪山への取付き。くるっと大きく周遊してきたのだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 3日目はやや遅く15時30分に良いテント場を見つけ、行動を終了する。
3日目はやや遅く15時30分に良いテント場を見つけ、行動を終了する。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 急いで整地し、設営する。なんとか日没前に設営完了。今日は距離こそ短いが、険しい犬ヶ岳を越え、最高の元日となった。
急いで整地し、設営する。なんとか日没前に設営完了。今日は距離こそ短いが、険しい犬ヶ岳を越え、最高の元日となった。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 最終日となる4日目は6時40分に出発。
最終日となる4日目は6時40分に出発。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 薄暗い稜線をゆっくり進む。白鳥山へは行かず、途中の下駒ヶ岳から西に伸びる尾根を下るルートだ。下駒ヶ岳までは黄蓮山、菊石山の2つのピークを越える必要がある。
薄暗い稜線をゆっくり進む。白鳥山へは行かず、途中の下駒ヶ岳から西に伸びる尾根を下るルートだ。下駒ヶ岳までは黄蓮山、菊石山の2つのピークを越える必要がある。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 ここもなかなかの雪庇だ。
ここもなかなかの雪庇だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 7時15分、黄蓮山(1360m)に到着。全員で集合写真を撮る。
7時15分、黄蓮山(1360m)に到着。全員で集合写真を撮る。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 7時18分、太陽が稜線上へ姿を現す。ありがたい御来光だ。風も穏やかな静かな朝となった。
7時18分、太陽が稜線上へ姿を現す。ありがたい御来光だ。風も穏やかな静かな朝となった。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山から犬ヶ岳へと続く稜線。ここを歩いてきた。
初雪山から犬ヶ岳へと続く稜線。ここを歩いてきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳のアップ。
犬ヶ岳のアップ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳と初雪山の稜線の遥か奥に聳える山々は劔岳〜毛勝山の北方稜線と思われる。
犬ヶ岳と初雪山の稜線の遥か奥に聳える山々は劔岳〜毛勝山の北方稜線と思われる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山のアップ。
初雪山のアップ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳の下り、栂海山荘から歩いてきた稜線。
犬ヶ岳の下り、栂海山荘から歩いてきた稜線。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 朝日に照らされた白鳥山へと続く稜線。
朝日に照らされた白鳥山へと続く稜線。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 朝日に照らされてオレンジ色の世界となる。
朝日に照らされてオレンジ色の世界となる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 大ベテランのNさんとツーショット。
大ベテランのNさんとツーショット。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 上越や妙高の山々まで見渡せる。
上越や妙高の山々まで見渡せる。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 もう一度歩いてきた稜線を振り返る。
もう一度歩いてきた稜線を振り返る。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 3日間かけて歩いてきた道を振り返りながら、感慨に浸るメンバー。
3日間かけて歩いてきた道を振り返りながら、感慨に浸るメンバー。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 最終日に御来光を拝めてありがたい。今年も一年間、安全で楽しい山行ができますように。
最終日に御来光を拝めてありがたい。今年も一年間、安全で楽しい山行ができますように。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 山の影が空に映っている。
山の影が空に映っている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 絶景をじっくり堪能し、先へ。
絶景をじっくり堪能し、先へ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 今回の山行はお日様の御加護があったように思う。
今回の山行はお日様の御加護があったように思う。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 次のピークは標高1209.7mの菊石山(右)。一度1150mまで200m強下ってから、60mの登り返しだ。
次のピークは標高1209.7mの菊石山(右)。一度1150mまで200m強下ってから、60mの登り返しだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 絶景とはおさらばだ。
絶景とはおさらばだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 長い下り。どんどん進む。
長い下り。どんどん進む。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 8時25分に菊石山到着。小休止して先へ。二重稜線になっていて、ちょっと道が分かりづらい。
8時25分に菊石山到着。小休止して先へ。二重稜線になっていて、ちょっと道が分かりづらい。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 白く染まった山の一部だけ真っ黒になっているのは杉の植林帯だ。伐採されず、花粉の生産工場としか機能していない。
白く染まった山の一部だけ真っ黒になっているのは杉の植林帯だ。伐採されず、花粉の生産工場としか機能していない。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 いよいよ最後のピーク、下駒ヶ岳(1241m)が近づく。
いよいよ最後のピーク、下駒ヶ岳(1241m)が近づく。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 1120mまで下ってからの120mの登り返しだ。
1120mまで下ってからの120mの登り返しだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 辛い100mほどの登りを終え、1200m地点。山頂直下の40mはかなりの急斜面だ。空身でトップのDさんが登りながら雪の状態を確認し、ロープは不要との判断を下す。
辛い100mほどの登りを終え、1200m地点。山頂直下の40mはかなりの急斜面だ。空身でトップのDさんが登りながら雪の状態を確認し、ロープは不要との判断を下す。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳からの道を振り返る。小屋が遥か彼方に見える。
犬ヶ岳からの道を振り返る。小屋が遥か彼方に見える。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山へ登った尾根も見える。植林帯から緩やかに山頂へ向かう尾根がそれだ。
初雪山へ登った尾根も見える。植林帯から緩やかに山頂へ向かう尾根がそれだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 9時59分に下駒ヶ岳に到着。白鳥山が近く見える。
9時59分に下駒ヶ岳に到着。白鳥山が近く見える。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 幾多もの尾根が重なりあって美しい。
幾多もの尾根が重なりあって美しい。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 初雪山の取付きの奥に見える山は黒菱山。
初雪山の取付きの奥に見える山は黒菱山。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 下駒ヶ岳の先の小ピークから西に出ている尾根を下る。当然登山道にはなっていないが、藪がそれほどきつくないことは、隊長のYさんが偵察済みだ。
下駒ヶ岳の先の小ピークから西に出ている尾根を下る。当然登山道にはなっていないが、藪がそれほどきつくないことは、隊長のYさんが偵察済みだ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 雪が豊富で快適な尾根となっている。
雪が豊富で快適な尾根となっている。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 犬ヶ岳へ登った稜線も見える。
犬ヶ岳へ登った稜線も見える。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 気持ちのいいブナ林の中をガシガシ下る。標高が下がるにつれ、雪が重くなってきた。
気持ちのいいブナ林の中をガシガシ下る。標高が下がるにつれ、雪が重くなってきた。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 10時59分、標高950m地点。この先895mの小ピークまでは緩やかな斜面が続く。
10時59分、標高950m地点。この先895mの小ピークまでは緩やかな斜面が続く。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 植林されているかのような唐松並木。
植林されているかのような唐松並木。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 895mピークから先は険しい下り。雪がわずかについていて滑りやすく、かなりいやらしい。
895mピークから先は険しい下り。雪がわずかについていて滑りやすく、かなりいやらしい。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 危険な箇所は懸垂下降で確実に下りる。全部で3ヶ所懸垂下降した。
危険な箇所は懸垂下降で確実に下りる。全部で3ヶ所懸垂下降した。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 デイジーチェーンでセルフビレイを取り、自分の番が来るのを待つ。
デイジーチェーンでセルフビレイを取り、自分の番が来るのを待つ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 もう犬ヶ岳は遥か上方だ。
もう犬ヶ岳は遥か上方だ。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 14時3分。ついに長い尾根下りが終わり、寺谷の出合いに出た。無事に全員が帰ってこれたことに感謝し、握手を交わし合う。
14時3分。ついに長い尾根下りが終わり、寺谷の出合いに出た。無事に全員が帰ってこれたことに感謝し、握手を交わし合う。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 最後は大平の集落まで約6.5kmの長い林道を歩く。
最後は大平の集落まで約6.5kmの長い林道を歩く。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 境川に沿った静かな道だ。林道沿いの斜面が急なため、雪崩れてきた雪が林道を埋める。大量の降雪がある際は、通ってはならないが、この程度の雪なら問題ない。
境川に沿った静かな道だ。林道沿いの斜面が急なため、雪崩れてきた雪が林道を埋める。大量の降雪がある際は、通ってはならないが、この程度の雪なら問題ない。
白鳥山・下駒ヶ岳・犬ヶ岳 16時15分、ついにフィナーレ。林道に雪は全くなく、晩秋であるかのようだ。振り返った先には初雪山山頂が顔を出していた。
16時15分、ついにフィナーレ。林道に雪は全くなく、晩秋であるかのようだ。振り返った先には初雪山山頂が顔を出していた。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。