活動データ
タイム
06:08
距離
16.1km
のぼり
814m
くだり
901m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る先回は小國神社から下百古里(しもすがり)の山行をYAMAPに初めてUpしました。それじゃ下の次は上百古里(かみすがり)だと地図をながめてみれば、本宮山がすぐ目に入ります。 私の活動は車を使わず、鉄道とバス利用にこだわっているので、ほぼ自動的に秋葉バスの葛布入り口~本宮山~上百古里のコース、さらに上百古里から一山超えて国道362号の横川へというルートが浮かび上がります。 これを検討しているうち、反転ルートの方が面白くないかと考え出しました。本宮山は南側の森町からのルートが主流ですが、これを北側から南に下る、ま、エベレストで言えばチベット側から登ってネパールに抜けるというプランを立てたわけです。 横川〜上百古里大平線 さてスタートは横川のお寺、江月院。江月院への登り口の下から山に入ります。地図には点線の山道が記入されていますが所々踏み跡がはっきりしません。GPSを頼りに川をつかず離れず尾根筋の取り付きまでたどります。 尾根までくればルートはしっかり見えて来ます。 気持ちよく高度を稼いで市道川百古里大平線に出る少し手前で、思わず後ずさりしました。 前方のルート上でビーッと空気を震わせる音。不穏な雰囲気を感じてよくよく見ると、20センチくらいの地面と同じような茶色の蛇が体を震わせています。その振動が枯葉に当たって音が出ている。小さいながら思い切り威嚇しています。 君子危うきに近寄らずと少し戻って高巻きしルートに戻りました。 単独行ではこれだけのことで怖くなり、熊でも出たらどうしよう、いや先週下見に来た時出会った上百古里の方が、「カモシカ、イノシシはいるが熊は出ないよ」と言っていたな、と思い出しながらも不安になる。とにかく声を出して行くかと歌を歌って歩きます。 「あるう日、森のなかあ、クマさんにい、」とバカバカしくも声を出して行くのですが、後になって考えると、この歌はまずかった。だいたい内容がクマさん出ておいでと言ってるようなものじゃないか。それに、これまでひたすら隠してきたのですが、私は、やや、音程の不自由な人であります。音楽の素養があり絶対音感を持った熊だったら、走り出て来てひっぱたきたくなったかもしれません。 いやあれはまずかった。反省しております。 上百古里大平線〜上百古里 尾根筋の最後の部分は踏み跡がはっきりしない。ざれて足場がしっかりしないところもありますが、慎重に上って行くと作業道に出ます。地図にも記載されている市道から分岐している道です。市道まで出て戻る方向へしばらく行くと、また分岐。これを左手に降ります。 この道路は地図上では途中から点線の山道になっていますが、実際は舗装道路が下の県道まで続いています。下りの中間くらいで狸に遭遇。写真を撮る間も無く、狸さんはスタコラ逃げて行きます。 県道に出て左折。上百古里部落まで2キロほどの舗装路歩きが続きます。先日の下見の時にはこの道路上でウサギに遭遇。歩いて行くと道路上に落石か、と思った物体が何やら雰囲気が違う。よく見るとかすかに動きがある、と思うまにヒョンと小さな耳が生えて目が出て向こうに走り出しました。丸まっていた時の大きさは手のひらくらい。まだ子ウサギだったようです。 県道の左手上に人家が見えると上百古里部落です。右に分岐して橋を渡ると林道光南線の起点。ルートはこちらですが上百古里の部落に上って行きます。南向きの斜面の茶畑に10軒くらいの家が散在しています。見上げて右に小さな丸い丘を茶畑が覆って面白い風景になっているところがあります。じつにのどかな懐かしい風景です。丸い茶畑を1周してルートに戻ります。 上百古里〜本宮山 橋の手前に「林道光南線起点」の看板。「光南」は光明、南の意味でしょうか?橋を渡って、まっすぐ行けば光南線ですがすぐ右に曲がって茶畑の前を伸びる道に行きます。この道をまっすぐ行くと茶畑の終わった所から未舗装の作業道になり、左に山腹を巻きながら尾根筋の登山道に繋がるのは先日確認してあります。 今日は茶畑の脇から直接尾根に取り付きます。茶畑をすぎて森の中に入るとすぐに道脇に、金属板に文字を打ち出した道標があり「本宮山」と記されています。登り始めて5分もしないところで今度は「キキキキーッツギャギャー」とけたたましい鳴き声。鳥が二羽とび出て来て鳴いています。巣があって子育ての最中なのでしょうか?一羽は姿が見えなくなりましたが、一羽がしばらく鳴き続けます。ごめんよただ通るだけだからね、と言いながら通過。 道ははっきりしているし幅も広い、上に行くほど幅も路盤もしっかりして後半は完全に作業道になります。この尾根の中間くらいで、ガサッと音がして何かが左側の斜面を駆け下りるのが、灰色のお尻だけ見えました。カモシカ? 尾根を登りきって林道(さっきの光南線)に出る手前、右側に景観が開けます。ここから反対側に昇って行く道があります。すぐに小ピークになり西側方向に絶景。誰が立てたか「遠州絶景」の標柱。「遠州灘、アクトタワー、〜山住神社」の標記があり実際その通りの風景が目の前に広がっています。 今回はここがほとんど唯一の展望スポットでした。 光南線に出るとすぐ右手に上に昇って行くコンクリート舗装の斜道。これが本宮山へのルートです。植林の中を下り気味に進んで行くと高塚山への分岐点。これを過ぎて本宮山奥宮の案内板が現れます。左に登ると奥宮。 本宮山〜薄場 奥宮に着いた時には日が陰り廻りの高い木々に囲まれて、やや暗く鬱蒼とした雰囲気。ここで昼食にするつもりでコンロとカップヌードルを用意してあったのですが、食べる気にならない。実は先程の奥宮への分岐の少し向こうにラミネートした紙の看板が地面に落ちていました。「スズメバチの巣があります。入るな。小國神社」。山に入るな、なのか奥宮が危険なのかわかりませんが不気味で、音を立てぬようにそっと宮を廻ります。 宮から南に下ればハイキングコースですが葛布に向かうのは東側の尾根になります。ところがこちらがどうも踏み跡が薄い。尾根筋に沿って木に赤いテープが巻いてあり、境界杭なのかプラ杭や国土調査の白い杭が続きます。これがあるのは人が入って作業しているルートがある、テープがなくなったら引き返すかと、慎重に下って行きます。 展望もないので位置を確かめるのはYAMAPのGPSが頼りです。以前は地形図(五万分の一図の時代です)を一生懸命読図したのですが今は便利なものがあるものだと、スマホと赤テープを頼みまいらせ行く行くするうち、ぱっと景色が明るくなって農道に出ます。 この道を行けば薄場の部落、そのまま行けば森町の天宮に出るのですが、地図を見ると途中から葛布の部落へつながる点線の山道があります。どちらのコースを取ろうかと計画時は迷っていたのですが、この地点まで来てみると車も通れる道が伸びています。それならそちらに行ってみよう、葛布の部落も見られるしそのまま県道袋井気田線に出れば葛布入口のバス停がある、あのバス停には店があってたしか酒屋だった、酒屋なら冷たいビールがと、頭はフル回転し左折します。 すなわち臨機応変であります。 茶畑の脇を進んで行き、右側に下りる分岐を道がしっかりしているからとまっすぐ行くと、だんだん暗い植林の中になりジメジメした湿地で道が終わってしまいました。あれさとGPSを確かめると完全にルートを外れています。さっきGPS様頼りなどと言いながらちょっと気を抜くとこういうことになる。分岐まで戻って下の道へ進み直します。GPS上もこちらがオンルートのようです。 ところがすぐに茶畑の上で車道が終わり。その向こうにルートがあるやらないやらわからない状態です。もうだいぶ体力も使ったし無理は禁物、己の誤ちを悟ったら態(てい)を革(あらた)むるに躊躇するなかれと、引き返して薄場から天宮に舗装路を歩く決心をします。 すなわち君子豹変であります。
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