紫尾山
出典: Wikipedia
紫尾山(しびさん)は鹿児島県の出水市と薩摩郡さつま町に跨る出水山地(紫尾山地)の山である。標高は1,067mであり北薩地域(旧薩摩国北部)の最高峰である。
【地理】
出水山地の中でも抜きん出て標高が高いため、山頂付近の植生が周辺地域とは異なっている。ブナ、アカガシ、モミなどの天然林があり、「林木遺伝資源保存林」に指定されている。
山頂までは堀切峠(国道504号)からの林道が通じている。
【歴史】
山名の由来には二説ある。
1、継体天皇の時代に空覚という僧侶が夢のお告げを得て山に登った際に、山頂から麓へ向かって紫の雲がたなびく様子を見て名付けたとする説。但し、継体天皇の時代に仏教は日本へ伝わっていなかったことから時代を疑問視する見方もある。(参考:日本の仏教)
2、秦の使者徐福が皇帝に命ぜられ不死の薬を探すためにここを訪れた際、紫の紐を献じたことから名付けられたとする説。
空覚によって頂上に「上宮権現」と呼ばれる小さな社が建てられ、山麓に「紫尾山祁答院神興寺」と「紫尾山三所権現(後の紫尾神社)」が創建された。社の名にちなんで上宮嶽、あるいは上宮山とも呼ばれていた。神興寺は後に12の坊舎を持つ天台宗の大寺院となり「西州の高野山」とも呼ばれるほどの規模を誇ったが、天正年間に戦乱のため荒廃した。
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