甲斐駒ヶ岳1日目:日本3大急登黒戸尾根~北沢峠

2015.10.08(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 1
休憩時間
52
距離
9.9 km
のぼり / くだり
1907 / 318 m
2
3 29
2 50

活動詳細

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[山梨県・長野県:南アルプス] 7:30 尾白川渓谷駐車場 10:15 笹ノ平分岐 12:35-12:40 刀利天狗 13:20 五合目小屋跡 14:30 七丈小屋(泊) [交通ルート] JR甲府駅(前泊)~JR長坂駅~(タクシー20分ほど/3,520円)~尾白渓谷駐車場 日本3大急登の谷川岳西黒尾根から始まった今年の夏山は、同じ日本3大急登の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根で締めようと決めていました(もう秋ですが)。 三角形の鋭い岩峰、花崗岩の真っ白な砂礫の山頂、深田久弥も絶賛したという甲斐駒ヶ岳…いつ見ても、超かっこいい。横にぼこっとくっついてる摩利支天も、名前からしてかっこいい。 そういうわけで、行きたくてたまらなかった山です。 他の人の記録などを見ると日帰りしている方が多いですが、往復15時間、標高差2,300mのコースを日帰りできる自信があるはずもなく、七丈小屋で1泊するプランに。いや、これが普通ですよね?汗 当初車でピストンの予定でしたが、都合により車が使えなくなり、どうせ電車で行くならばと下山は北沢峠に下りることにしました。眺望の良さやルートの変化、面白さ、何より黒戸尾根の退屈な樹林帯を下山しなくて済んだので、これは大正解だったと言えます。 前夜に甲府入りし、駅前のビジネスホテルで前泊。始発で甲府駅から長坂駅に行き、タクシーで登山口の尾白渓谷駐車場まで向かいます。 駅に着いたとき駅前にはタクシーがおらず電話で呼び出したものの、どこも予約で埋まっていると言われてしまいました。最初に電話した北杜タクシーが気を利かせてすぐ来てくれたので助かったものの、タクシーで行く場合は予め予約しておいたほうが良さそうです。 長坂駅は早朝なのに何故か高校生で大混雑。どうやら韮崎高校の強歩(競歩)大会が開催されてたようです。男子は諏訪湖まで44kmも歩いたとか! 尾白川渓谷駐車場には10台以上車が停まっていましたが、尾白川渓谷や近くのハイキングコースに来ている人も多そう。 へんな顔のついた登山口の看板の横を抜けて少し行くと分岐が。確か、ネットで事前に見た情報では日向山のほうが正解だったな、と日向山のほうへ。尾白キャンプ場を過ぎてすぐ、再び『尾白川渓谷』と『日向山』への分岐が現れたので、また迷いなく日向山のほうへ。 しばらく登って、ん?神社があるはずなのに一向にない。おかしいなとYamapを見ると明らかに方向が違う。慌てて下りてキャンプ場まで戻り、『尾白川渓谷』とあるほうへ行くとすぐ神社が現れました。20分ほどの痛恨のタイムロス。これから長時間登り続けるっていうのに…アホな自分に初っ端から少し心がくじけます。 気を取り直して竹宇駒ヶ岳神社に安全登山を祈って参拝。黒戸尾根はもともと甲斐駒ヶ岳の表登山道だったそうで、ここともうひとつの横手登山口それぞれに神社があり、道中も石碑や石像など信仰の名残りが色濃く残っています。昔の人も同じ道を登っていたと思えるのはなんだか嬉しいですね。 神社の境内を抜けると左手に吊り橋があり、ここから本格的な登山道スタート。 さてどれほどの急登が待っているのだろうと覚悟していると、大した急登はなかなか現れません。緩かったり急だったりする登りが、ひたすら続く。ときどきなんとなく平坦になりつつ、急になったり、緩くなったり、ひたすら続く。周囲は常に樹林帯で眺望はゼロ。変化もゼロ。足元はふかふかした土でかなり歩きやすい。滑落しそうな急斜面もありません。 これが…地獄でした。 とにかく退屈で退屈で、最終的に、歩きながら耐え難い睡魔に襲われました。確かにギリギリまで仕事が終わらずかなりの寝不足ではありましたが、歩いている最中に眠くなったのはいくらなんでも初めてです。 行き交う人もほとんどおらず、見どころも何もないので、落ちている栗を無意味に拾ってみたり、暇なので手の平でどんぐりをコロコロさせながら歩いてみたり、色々やってみましたが、それでもツライ。こういうとき単独はしんどいとつくづく思いました。 ようやく変化があったのが刃渡りで、そこまでの所要時間4時間半ほど。4時間半も何もない樹林帯を登り続けて来たなんて!やっと開けた眺望に一気に目が覚めます。 刃渡りはその名のとおり両側が切れ落ちたナイフリッジですが、手すり的クサリがついているので全く危険は感じません。八丁尾根のナイフリッジのほうが危ない感じがしました。高度感は相当ありますが、木が生えているので余程の高所恐怖症でなければ問題ないレベルです。 刃渡りを過ぎると再び樹林帯。「まじかよ…」と、たぶん思わず言いました。刃渡りで上がったテンションがしぼんでいく…。しかし心配無用。ここからはハシゴやクサリのオンパレードになります。いや危険度は格段に上がるので心配したほうが良いのかも。 刀利天狗前はクサリやロープの張られた階段(ハシゴ)が入り組んだ連続になります。階段はハシゴを倒したようなつくりで、段の間の隙間が大きく、ステップの安定感も悪いうえ、下は絶壁なので少し緊張します。 刀利天狗の祠を過ぎた平坦地が五合目小屋跡。なんだか目の前に絶壁がそびえているんですけど。まさかあれを登るんでしょうか、と思ったらその通りで、一度鞍部に下ったあと絶壁(屏風岩)を直登します。いよいよ3大急登の本領発揮です。 屏風岩直下の祠からは、長いハシゴを登ったあと、ハシゴやクサリが続きます。クサリのない岩場も多いので、3点支持で登ります。 屏風岩を越えて鞍部に下り、橋を渡ると再び絶壁の直登。こちらは不動岩。またハシゴやクサリが続きますが、こちらのほうがより斜度が上がり、途中垂直の絶壁にかけられたハシゴと、そのあとのほぼ垂直かつスタンスのあまりないクサリは結構緊張しました。長さはそれほどではないのですが(クサリは3mぐらい)、周囲が切れ落ちひとつ間違えれば奈落の底というロケーションで、今まで登った中では一番恐怖感を覚えました。 また、長い登りの疲労がいつの間にか足にきており、普段ならさくさく登れるようなハシゴでも思うように足が上がらなくなっていたのも、難易度を高く感じさせていたと思います。6、7時間をひたすら登り続けたのは富士山以外になく、普段だったらとっくに下山開始している時間。気が付かないうちに相当足を消耗していたようです。 七丈小屋のその日の宿泊者は自分含めて4人。他は全員ソロのおじさまで、皆いい方で和気藹々と過ごせて楽しかったです。 全員第二小屋に泊まりましたが、4人なので広々と使えました。床に敷き詰められた布団の上に各自毛布1枚で、ご主人の割り当てに沿った場所でなんとなく寝る感じです。枕はないので気になる人は持参したほうがいいかも。 室内での自炊OKで、ストーブが一晩中炊かれ暖かく、寒いこの時期にはとても助かりました。消灯時間がなく、こちらの裁量で電気を点けたり消したりできるのもありがたい。お湯の入ったポットも用意されていました。 トイレは小屋からすぐで、洋式で紙あり。少し臭いはしますが便座カバーがついており清潔感はあります。トイレ内に個室が4室ありますがシーズンオフだからか1室しか開いていませんでした。 夕食が出ない可能性も考え、食事は自炊しました。寝具付素泊まりで4,600円は良心的。夕食付だとプラス1,400円。朝食は7時からと遅く、プラス1,200円。朝食を頼んだ方が1人いましたが結局断られたそうです。でもそれはご主人が1人で切り盛りしているので仕方ないのかなとも思います。 15時前に小屋に着いてしまったため、することもなく、結局18時過ぎに就寝。夜中に起きて星を撮る…つもりが、そんなに早く寝たのにずっと寝てました。途中何度か目覚めたんですが、寒そうで面倒くさくて…。自分は星空撮影(と、ご来光と夕焼け撮影)には向いていないのかもしれません。 ■2日目:https://yamap.co.jp/activity/170860

北岳・間ノ岳・農鳥岳 本日の目的地は七丈小屋
本日の目的地は七丈小屋
北岳・間ノ岳・農鳥岳 駐車場奥の登山口入口。ハードな山行に見合わない看板のへんな顔
駐車場奥の登山口入口。ハードな山行に見合わない看板のへんな顔
北岳・間ノ岳・農鳥岳 尾白キャンプ場。ここから間違えて右にそれて、日向山のほうに行ってしまいました
尾白キャンプ場。ここから間違えて右にそれて、日向山のほうに行ってしまいました
北岳・間ノ岳・農鳥岳 竹宇駒ヶ岳神社の境内を通ります。安全登山と無事下山を祈って参拝
竹宇駒ヶ岳神社の境内を通ります。安全登山と無事下山を祈って参拝
北岳・間ノ岳・農鳥岳 渡ってきた吊り橋は定員5名とのこと
渡ってきた吊り橋は定員5名とのこと
北岳・間ノ岳・農鳥岳 七丈小屋は小規模なので大人数は遠慮してね、との看板
七丈小屋は小規模なので大人数は遠慮してね、との看板
北岳・間ノ岳・農鳥岳 素泊まり料金は事前に調べたときより100円値上がりしてました。お弁当などの提供はありません
素泊まり料金は事前に調べたときより100円値上がりしてました。お弁当などの提供はありません
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ひたすら樹林帯の上りが続く
ひたすら樹林帯の上りが続く
北岳・間ノ岳・農鳥岳 赤と黄と緑のコンビネーション
赤と黄と緑のコンビネーション
北岳・間ノ岳・農鳥岳 年期の入ったボトルがぶら下がっている
年期の入ったボトルがぶら下がっている
北岳・間ノ岳・農鳥岳 不思議な苔
不思議な苔
北岳・間ノ岳・農鳥岳 苔の越冬準備
苔の越冬準備
北岳・間ノ岳・農鳥岳 刃渡り直前でようやく視界が開けました。地蔵岳のオベリスクがとんがりの鳳凰三山
刃渡り直前でようやく視界が開けました。地蔵岳のオベリスクがとんがりの鳳凰三山
北岳・間ノ岳・農鳥岳 刃渡り。両側が切れ落ちていますが手すり的クサリがあるのであんまり危ないかんじはしません
刃渡り。両側が切れ落ちていますが手すり的クサリがあるのであんまり危ないかんじはしません
北岳・間ノ岳・農鳥岳 右側は一枚岩になってます。影でイエーイ(ぐらいの余裕あり)
右側は一枚岩になってます。影でイエーイ(ぐらいの余裕あり)
北岳・間ノ岳・農鳥岳 刃渡りから振り返ると小淵沢の街の向こうに八ヶ岳
刃渡りから振り返ると小淵沢の街の向こうに八ヶ岳
北岳・間ノ岳・農鳥岳 先週の編笠山からはちょうどこちらが見えていました。ご対面!
先週の編笠山からはちょうどこちらが見えていました。ご対面!
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ハシゴの連続開始
ハシゴの連続開始
北岳・間ノ岳・農鳥岳 足元は絶壁。ひょー
足元は絶壁。ひょー
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ハシゴというか階段というかが続きます
ハシゴというか階段というかが続きます
北岳・間ノ岳・農鳥岳 クサリもあり
クサリもあり
北岳・間ノ岳・農鳥岳 刀利天狗到着。小さな祠が祀られています
刀利天狗到着。小さな祠が祀られています
北岳・間ノ岳・農鳥岳 更地になっている五合目小屋跡
更地になっている五合目小屋跡
北岳・間ノ岳・農鳥岳 鞍部に下って、目の前にそそり立つ屏風岩
鞍部に下って、目の前にそそり立つ屏風岩
北岳・間ノ岳・農鳥岳 祠の横から続く長いハシゴ
祠の横から続く長いハシゴ
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ハシゴの橋
ハシゴの橋
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ロープの岩場
ロープの岩場
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ハシゴが入り組んでラビリンス
ハシゴが入り組んでラビリンス
北岳・間ノ岳・農鳥岳 クサリのちハシゴ
クサリのちハシゴ
北岳・間ノ岳・農鳥岳 片側が切れ落ちているのがデフォルト
片側が切れ落ちているのがデフォルト
北岳・間ノ岳・農鳥岳 一度鞍部に下り、橋を渡ると次は不動岩です
一度鞍部に下り、橋を渡ると次は不動岩です
北岳・間ノ岳・農鳥岳 足元、結構高いです。これ以降下を見るの禁止令発令
足元、結構高いです。これ以降下を見るの禁止令発令
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ハシゴが続きます
ハシゴが続きます
北岳・間ノ岳・農鳥岳 絶壁にかけられた垂直のハシゴを登って下を見下ろす。ヘタレなのでこれ以上乗り出せません
絶壁にかけられた垂直のハシゴを登って下を見下ろす。ヘタレなのでこれ以上乗り出せません
北岳・間ノ岳・農鳥岳 続いて急斜度のハシゴ、のちここで一番急なクサリ
続いて急斜度のハシゴ、のちここで一番急なクサリ
北岳・間ノ岳・農鳥岳 垂直に近いクサリを登ったあと振り返って。クサリ手前は足場が狭すぎ、危険を感じたので写真は撮れませんでした
垂直に近いクサリを登ったあと振り返って。クサリ手前は足場が狭すぎ、危険を感じたので写真は撮れませんでした
北岳・間ノ岳・農鳥岳 クサリのトラバース。小屋はもうすぐです
クサリのトラバース。小屋はもうすぐです
北岳・間ノ岳・農鳥岳 七丈小屋に到着!(第一小屋)
七丈小屋に到着!(第一小屋)
北岳・間ノ岳・農鳥岳 お夕飯と朝ごはんメニュー。お夕飯はレトルトカレー
お夕飯と朝ごはんメニュー。お夕飯はレトルトカレー
北岳・間ノ岳・農鳥岳 いろいろ売っていますがタイミングが合わず買えず
いろいろ売っていますがタイミングが合わず買えず
北岳・間ノ岳・農鳥岳 パッキング中(ここに写ってない荷物もありますが)
パッキング中(ここに写ってない荷物もありますが)
北岳・間ノ岳・農鳥岳 あずさにて。新調したカリマー・イントレピッドはフロントがガバッと開くのが超使いやすい
あずさにて。新調したカリマー・イントレピッドはフロントがガバッと開くのが超使いやすい
北岳・間ノ岳・農鳥岳 甲府駅前のモルゲンロート。山が見える街に住むのは憧れです
甲府駅前のモルゲンロート。山が見える街に住むのは憧れです
北岳・間ノ岳・農鳥岳 尾白川渓谷駐車場。トイレもあります
尾白川渓谷駐車場。トイレもあります
北岳・間ノ岳・農鳥岳 14度。台風の影響か、風が強くて日陰は結構寒いです
14度。台風の影響か、風が強くて日陰は結構寒いです
北岳・間ノ岳・農鳥岳 七丈第二小屋。こちらに泊まりました。翌日は横のハシゴを登って山頂へ
七丈第二小屋。こちらに泊まりました。翌日は横のハシゴを登って山頂へ
北岳・間ノ岳・農鳥岳 フライングトイレ。中は足元透けてます
フライングトイレ。中は足元透けてます
北岳・間ノ岳・農鳥岳 水場は蛇口から水が出っ放し
水場は蛇口から水が出っ放し
北岳・間ノ岳・農鳥岳 鳳凰三山を肴にコーヒー2杯飲みつつごろごろ。至福の時
鳳凰三山を肴にコーヒー2杯飲みつつごろごろ。至福の時
北岳・間ノ岳・農鳥岳 水場&第一小屋と第二小屋の間は橋があります。便所サンダルで通る道じゃない
水場&第一小屋と第二小屋の間は橋があります。便所サンダルで通る道じゃない
北岳・間ノ岳・農鳥岳 日暮れ時の鳳凰三山
日暮れ時の鳳凰三山
北岳・間ノ岳・農鳥岳 ディナーは小屋内でおじさまと。ソーセージにフリーズドライのパスタ。酒が欲しい…
ディナーは小屋内でおじさまと。ソーセージにフリーズドライのパスタ。酒が欲しい…
北岳・間ノ岳・農鳥岳 暮れゆく甲府の街並
暮れゆく甲府の街並

活動の装備

  • ワコール(Wacoal)
    CW-X STABILYX(スタビライクス) ロング
  • その他(Other)
    TORQUE G01
  • プロトレック(PRO TREK)
    PRW-3000-9BJF
  • プラティパス(Platypus)
    platypus(プラティパス) ビッグジップLP 2リットル
  • ソト(SOTO)
    マイクロレギュレーターストーブウインドマスター
  • プリムス(PRIMUS)
    イージークックNS・ソロセットM
  • その他(Other)
    SEA TO SUMMIT X-カップ
  • エムエスアール(MSR)
    フォルディング ユテンシル フォーク
  • キヤノン(Canon)
    EOS Kiss X7
  • その他(Other)
    SWANS Dee-I GW-3701 BK-BR
  • バーグハウス(berghaus)
    VALPAROLA SS VEST
  • バーグハウス(berghaus)
    トレッキンググローブ
  • マムート(MAMMUT)
    Lhasa Cap
  • カリマー(karrimor)
    コンフィウィメンズパンツ
  • カリマー(karrimor)
    イントレピッド40 タイプ3
  • ホグロフス(HAGLOFS)
    LIM III JACKET
  • モンベル(mont-bell)
    EXライトダウンジャケット Women
  • モンベル(mont-bell)
    メリノウール サポーテック トレッキング ソックス

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